研究分担者 |
進藤 宗洋 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (30078539)
田中 宏暁 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (00078544)
田中 守 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (00163577)
桧垣 靖樹 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (10228702)
庄野 菜穂子 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (60223674)
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研究概要 |
1.実験動物のインスリン非依存性の糖取り込み能は、一過性の持久的運動(分速15m、90分間、トレッドミル走行)後に変化しなかったが、5週間の持久的トレーニング(1日60分、週4日、分速15-25m)で有意に高まった(Glucose infusion rate;コントロール群:6.5±0.8ml/kg/min、トレーニング群:8.5±1.5ml/kg/min,P<0.01)。 2.一般健常者を対象として、一過性の軽運動(乳酸閾値強度、60分間)終了25分後に静脈糖負荷試験を行った結果、Insulin sensitivity(S_1:インスリン依存性の糖取り込み能の指標)は変化しなかったが、Glucose effectiveness(S_G:インスリン非依存性の糖取り込み能の指標)が有意に増加した(Control0.016±0.002,Exercise0.025±0.002,min^<-1>,P<0.05)。この結果は、一過性の軽運動が耐糖能の改善にかなり有益である可能性を示唆するものである。 3.健常男性8名(18-25歳)を対象として6週間の自転車エルゴメータートレーニング(乳酸閾値強度,60分/回,5回/週)を行った結果、S_Gが有意に高まった(トレーニング前:0.018±0.001,トレーニング後:0.023±0.001,min^<-1>,P<0.05)。同様にS_1もトレーニング後に有意に増加した。本研究の結果から、インスリン作用を介する糖取り込み能だけでなくインスリン作用を介さない糖取り込み能も改善させる乳酸閾値強度の運動トレーニングが,2型糖尿病の予防に有効だと考えられた。 4.臨床現場で簡易に、精度良く糖尿病患者の体力を評価出来る運動負荷テスト(ステップ台を用いたテストと小型歩数計を用いたテスト)を考案し、これらの運動テストで9割以上の糖尿病患者の乳酸閾値の判定が可能であることが分かった。これらの運動負荷テストは、糖尿病患者の有酸素性体力の評価、運動処方の作成に有用であると考えられた。
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