研究分担者 |
小倉 康 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 主任研究官 (50224192)
有元 秀文 国立教育研究所, 教科教育研究部, 室長 (40241228)
堀 哲夫 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (30145106)
五島 政一 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 主任研究官 (40311138)
寺谷 敞介 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60087533)
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配分額 *注記 |
10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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研究概要 |
思考力の育成には目の前で起きる事実を自ら観察する実験を通して行うのが適していると考えられる。本調査研究では,生徒一人一人が主体的に取り組める機会として実験を用い,生徒の思考力育成法として,定型文を利用したり実験班での討論を取り入れたりして変容等を総合的に調べていくこととし,ここでは育成する思考力を,他人にわかる表現で「結論と根拠」,「目的と考察」が理論的に対応した形で表現できることとした。この目的にしたがって,中学校理科および高等学校化学で実験を通した調査を行い,以下のような結果が見出された。 1 定型文を使うことで、結果と考察が区別されるほか,考察と感想も区別できるようになった。また,目的を再認識させることで考察が書きやすくなることが分かった。さらに、定型文の学習は、実験を遂行していく間にも、考察の定型文の要素である結果と理論及び根拠について考えるようになり,思考の道具として使われていた。 2 考察の時間を設けることで,生徒間に自然に討論や意見交換が行われるようになった。また,他人に分かりやすく記述することを意識させることで,自分の言葉で書くようになり,自分なりの疑問を持つようになった。 3 中・高等学校で扱う実験には,物質の性質や現象を見出す実験と、自由研究など疑問を解決していく実験があり,後者では考察において根拠が重要な意味を持つことが確認された。すなわち、考察内容があり,さらに目的と考察が対応し,疑問検証や問題解決型の実験教材が思考力を育成するのに必要であることがわかった。 4 グループ討論では自分の意見が班内で最も問題解決に役立ったと評価された生徒でも,自分の考えを深めるのに役立ったと討論を評価していた。すなわち,グループ討論は他人に対する表現の工夫につながり,その工夫が思考を整理しているものと考えられる。さらに,自己評価することで自らの思考の変化に気づくようになった。
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