研究分担者 |
安留 誠吾 南大阪大学, 助教授 (50252721)
桝田 秀夫 大阪大学, 情報処理教育センター, 助手 (90304063)
西田 知博 大阪大学, 情報処理教育センター, 助手 (00283820)
齊藤 明紀 (斉藤 明紀) 大阪大学, 情報処理教育センター, 講師 (20235021)
辻野 嘉宏 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20172009)
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研究概要 |
平成9年度は,学生の計算機演習室などの日常環境で取得したユーザの操作履歴を詳細に解析し,目標選択操作と打鍵レベルの操作に着目していくつかの統制実験を行って比較することによって,以下のような結果を得た. ・ウィンドウなどの大きな目標を選択する操作において,統制実験下のユーザは反復の影響でマウスを手首や前腕のみで操作する傾向があることがわかった.また,操作を早く終了させるために目標となるウィンドウの中心ではなく,最寄りのウィンドウの縁を意識した操作を行うという傾向も見られた. ・打鍵間隔やマウス操作への移行などのGUI操作時間の比較を行った結果,統制実験下では操作に集中しているため全般的にその操作時間が短くなり,個人間の差も非常に小さくなることがわかった. 平成10年度は,9年度の結果をもとに,計算機演習室において,161名の学生の8ヶ月間の日常操作履歴を収集し,その解析を行った.その結果,演習中に指導された内容がどのように学生側に浸透していくかなどの,教授上の有用な情報を得ることができた. また,マウスのポイントエラーの低減を目的に,収集した実使用環境でのデータの解析を行った.その結果,ボタン操作の副作用として発生するマウスの移動と,ボタン操作を行う指と移動操作を行う手首および腕の動きの不一致によっておこる2種類のエラーが確認できた.この結果をもとに,マウスが発生する信号の履歴を解析することによって,これらのエラーが発生した際に利用者が意図した目標座標を推測するアルゴリズムを考案した.そして,この補正機能をマウスのデバイスドライバに組み込み,統制実験によってその効果を確認した.
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