研究分担者 |
稲葉 晶子 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10304049)
松田 憲幸 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (40294128)
柏原 昭博 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (10243263)
堀口 知也 神戸商船大学, 情報システム工学講座, 講師 (00294257)
平嶋 宗 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (10238355)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1997年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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研究概要 |
近年,知的教育支援システムの研究において,学習者の能動的な学習を促進するための内発的動機づけの重要性が指摘されている.学習者の予想と異なる現象を提示することによる認知的葛藤の喚起は,このための有効な手段である.本研究の目的は,挙動シュミレーションを用いて認知的葛藤を喚起する手法を確立することである.認知的葛藤を引き起こすための条件の同定,およびそのようなシュミレーションの生成・制御法が求められる. 第1年度は,学習者の誤りを反映した挙動シュミレーションの生成法を提案・実装し,そのようなシュミレーションにおけるおかしな動きが予想と異なるとき,認知的葛藤が生起することを確認した.シュミレータの設計においては,想定する学習者の誤りの種類に妥当な制約を加えることによって,自動化を実現した. 第2年度は,提示された現象が予想と異なると感じられるための条件を同定し,これに基づいてシュミレーションの可視化効果を診断する機能を実現,検証した.定性的要因に注目した診断条件の定式化と,定性推論による自動化が実現されている.取り扱える誤りの範囲を拡大するため,メタファー使用時の効果の検討も併せて行った. 第3年度は,シュミレーション生成時に用いられる表現手法(種々のメタファーなど)が,認知的葛藤の喚起に与える影響を測定し,これを考慮したシュミレーションの制御システムを構築した.可視化効果に関わる諸要因と,その表現手段に関わる諸要因とを分離し,各々がシュミレーションの教育効果を構成するメカニズムを明らかにすることにより(各々,認知実験によって検証された),統合的なシュミレーション環境を実現した. 本研究により,シュミレーションを用いた学習環境の,教育効果を考慮した運用法に関する指針が得られたと考える.研究成果は,別掲の雑誌掲載論文,国際会議発表論文などにより公表されている.
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