研究概要 |
平成10年度は,平成9年度の研究成果を踏まえて,重み係数の最適化,および検索エンジンをより高速なものに変更することを行った.また,概念辞書に存在しない学術用語への対応策の検討も行った.概念辞書に存在しない学術用語については,その出現の頻度,出現する論文に含まれる概念などをもとにして,統計的手法を用いて学術用語が持つ概念を推定することが考えられる.これに似たアプローチとしては,米国イリノイ州立大学などでも行われている.しかし,このような方法で推定した概念を,既存の概念辞書が基礎としている概念体系に当てはめることが難しい.高い精度で推定する方法を研究することが今後の課題となった. 学術論文からの概念の抽出結果についての評価も行った.その結果はおおむね良好なものであり,本研究で提案した概念抽出法は有効なものであることを確認できた.また,作成した概念検索プロトタイプシステムは,ユーザインタフェースの点で難があるものの,本研究で提案する手法により現実的な概念検索を実現できることが分かった.
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