研究概要 |
1.平面交通に関して (1)通過不能領域が存在する等,任意形状の領域内において,2地点間の距離分布および通過交通量分布を導出する方法を積分幾何学を用いて定式化した. (2)高速道路網の建設による移動時間短縮効果の算出法,それに基づく高速道路の最適配置に関して基礎的な研究を行った. (3)最短時間経路問題の一般化,最短路数え上げ問題の応用に関する研究を行った. (4)市街地における同時多発出火時の避難可能性について基礎的な研究を行った. 2.大規模高層ビル内の交通に関して (1)エレベータ用スペースを考慮して,高層ビルの効率性評価を行うための定式化を行った.これに基づいて,ビル内の施設配置が効率性に及ぼす影響の評価,集中型ビルと分散型ビルの効率性の比較を行った. (2)ビル内の移動手段として,エレベータ,エスカレータ,徒歩を考えるとき,ビル内居住者の総移動時間を最小にするような居住領域と交通路の配分を求める問題を数理計画法を使って定式化し,解を求めた. 3.分かりやすい交通システムに関して 種々の予備的な調査を基にして,5本の線が乗り入れている都内でも有数の複雑な駅である地下鉄大手町駅を例として取り上げることとした.図面およびディジタルカメラによる映像を基にして,通路の障害物なども考慮して,緊急時にも対応できるような情報システムを構築することを目標として,データの表現方法等について基礎的な研究を行うとともにシステムの試作を行った.
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