配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
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研究概要 |
研究代表者らは,長野県南箕輪村にある信州大学農学部附属演習林内のヒノキ林において,森林内外の風速分布および乱流フラックスから森林樹木が風により受ける力を算出した。これらの結果から,(1)森林外での風による運動量輸送は,高さによらずほぼ一定であり,キャノピー上部で,ほとんど吸収されること,(2)キャノピーと地表の間の空間にも風速のピークが見られ,キャノピー下部における運動量フラックスの出入りを無視できないこと,(3)運動量フラックスは水平方向の測定位置に対する依存性が低いことを示した。 前述の結果と森林内の風速と結び付けることによって,先に述べた比例定数と森林形態(特に葉面積)との関係を考察した。その結果,風速が大きくなるにつれ,抵抗係数は小さくなることが示された。また,その値は,0.2に収束し,Picea abiesやTsuga heterophyllaの森林で得られた値より小さい値となった。小さくなった原因として,キャノピー下部における運動量フラックスの出入りを過小評価したことがあげられる。 過去に森林で得られたデータをもとにして,粗度と地面修正量,樹高,葉面積指数といった森林の特徴量から抵抗係数を算出する式を考案し,実測で得られた抵抗係数と比較した。両者はほぼ一致した。しかし,これらの特徴量を測定することは実用的ではないので,さらに簡略化し,葉面積と樹高から抵抗係数を算出する式を考案した。これも,実測値とほぼ一致することを示した。この式と森林分布図から,九州北部のスギ林の抵抗係数分布図を作成した。
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