研究概要 |
沖縄における台風災害対策に資する基礎的研究を推進することが,本研究の主たる目的である.沖縄は,我国唯一の亜熱帯地域であることから,外の地域と比較して極めて特異な地域特性を有している.特に,自然の異常現象の観点からみれば,極めて大型で強い台風の常襲地帯であり,近年に入っても極めて大型の台風が沖縄地域に来襲しており,沖縄は外の地域とは相当異なる自然災害を受けてきている.この状況を踏まえて,所謂亜熱帯型自然災害対策に資する基礎的研究の推進が強く要望されている.そこでこのような社会的ニーズに的確に対応するために,平成1年度科学研究費重点領域研究「亜熱帯地方・沖縄における都市災害の特性評価とその防災力の変遷について」では,沖縄県における台風災害に関する資料を収集し,データベース化を行い,更に,その台風災害データベースシステムを活用して,沖縄に来襲した台風の経路,規模及び頻度と災害事象の比較を通して,沖縄における台風による都市災害の特性評価とその防災力の時代的変遷の調査分析を行った.そこで本研究では,本台風災害データベースシステムに平成10年度までの台風に関する気象及び災害資料を新たに収集し,台風災害データベースシステムの再構築を行った.また,沖縄県は広域にわたっているため,地域特性は多種多様であり,その地域特性に応じた災害特性を把握するために沖縄県を6つの地域(気象台観測地点に対応)に分け,市町村別災害資料を新たに収集し,それぞれの地域について台風に関する気象データ(最大風速,最大瞬間風速,降水量)と施設災害(家屋全壊,床上浸水,道路被害,港湾被害,停電等)の相関関係について詳細に調査分析を行った.
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