研究課題/領域番号 |
09480091
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三宅 正司 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (40029286)
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研究分担者 |
庄司 多津男 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50115581)
節原 裕一 大阪大学, 接合科学研究所, 助手 (80236108)
巻野 勇喜雄 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (20089890)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 高密度プラズマ / PVD / 超硬質薄膜 / 薄膜 / ヘリコン波 / 窒化炭素薄膜 / 薄膜合成 / 真空アーク / カーボン薄膜 / ヘリコン波励起プラズマ / 真空アークプラズマ |
研究概要 |
本研究においては次世代超硬質窒化物薄膜として最近もっとも注目されているβ-C_3N_4薄膜を合成する研究を行った。その際まず化学量論的な組成の膜を作成することがもっとも重要であると考え、窒素やカーボンを十分高励起状態に出来る低圧力で高密度のプラズマ源であるヘリコン波励起プラズマ(HWP)に着目し、これを用いたスパッタリング装置を新たに開発するとともに、β-C_3N_4薄膜合成を遂行した。本研究により得られた成果は以下のようになる。 1)従来利用される複雑なアンテナではなく単純な構造の数ターンのヘリカルコイルを用いて、0.1-1Pa程度のArガス中で数100WのRF電力でも10^<13>cm^<-3>に達する高密度プラズマが得られた。またN_2ガス中でも1kW程度の電力で10^<12>cm^<-3>の高密度プラズマを容易に得られた。 2)この装置を用いてCN_x薄膜の合成を行い、プラズマ中の窒素原子が増えるとともに膜中の窒素量も増加し、膜組成が化学量論的なものに近づくことが明らかに成った。そしてカーボンの量と窒素のフラックスを適切に選択することにより、化学量論的な組成のC_3N_4薄膜を得ることに初めて成功した。なおここで得られた膜はSP^2構造とSP^3構造が混在し、両者は膜中のN含有量とともに増加した。 3)膜の硬度については、化学量論的な組成に近い条件で基板バイアスによるイオン照射を行ったとき25GPa程度でそれほど高くなかった。その原因としては膜中に残っているグラファイト成分や、ベース真空度があまり高くない事から生じる水素あるいは水などの不純物の存在が、CとN以外の結合を持つポリマー状の化合物を形成している可能性が考えられた。
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