研究課題/領域番号 |
09480096
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
エネルギー学一般・原子力学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石榑 顕吉 (石槫 顕吉) 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90010975)
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研究分担者 |
江馬 一弘 上智大学, 理工学部, 助教授 (40194021)
浅井 圭介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60231859)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1997年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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キーワード | 低次元物質 / 有機・無機ハイブリッド / 量子井戸 / 励起子 / 非線形光学 / 4光波混合 / LB膜 / 超微粒子 / 半導体超微粒子 / イオンビーム / メゾスコピック系 / ナソ材料 / 非線形光学特性 / ヨウ化鉛 / 縮退四光波混合 / X^<(3)> / 縦緩和時間 / 横緩和時間 / CdS / RBS / 非線形感受率 |
研究概要 |
我々は多彩な低次元物質群の中で、特に有機・無機ハイブリッドを形成するものに着目し、これを用いて次元性と物性との相関を探究する試みを開始した。 1.「無機・有機複合型量子井戸構造における励起子物性」 これは、2次元的に閉じ込められた励起子の非線形性がどのようなものかを明らかにすることを目的として行った研究である。対象物質は(C_6H_<13>NH_3)PbI_4であり、アルキルアンモニウムが形成する有機層と無機[MX_4]_<2->2次元層とが交互に積層した層状ぺロブスカイト型結晶構造を有する。この無機層中には、室温でも安定な励起子が存在する。我々は、この2次元系としての無機層における共鳴励起下での励起子相互作用に着目し、この相互作用が励起子の非線形光学特性に及ぼす影響を、4光波混合法を用いて明らかにした。 2.「量子ビームを用いた半導体超微粒子の改質と構造解析並びに光物性の探究」 これは、有機単分子膜の積層構造(LB膜)中に埋め込まれた擬0次元系としての無機半導体(CdS)超微粒子の分散形態の評価と、その超微粒子の光学特性を支配する電子構造の解明およびその制御とを目標にして行った研究である。分散形態の評価には、ラザフォード後方散乱分析(RBS)を用いた。これは、有機・無機ハイブリッド構造の解析にRBSを用いた最初の実験例となった。また、この擬0次元系半導体への高エネルギーイオン照射によって、表面欠陥準位密度を著しく低減させることに成功した。さらに、この表面電子状態の制御が、半導体超微粒子の3次非線形光学現象に及ぼす効果について、4光波混合法を用いて評価した。その結果、当該試料は、従来から盛んに研究されてきたCdS超微粒子ドープガラスに比べ著しく大きな3次非線形感受率を示した。これは、当手法が可能にした超微粒子の極めて高い充填率と、効果的な表面処理によるものと考えられる。
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