研究課題/領域番号 |
09480099
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
エネルギー学一般・原子力学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今西 信嗣 京都大学, 工学研究科, 教授 (10027138)
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研究分担者 |
今井 誠 京都大学, 工学研究科, 助手 (60263117)
伊藤 秋男 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90243055)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 電子的スパッタリング / 重イオンビーム / クラスターイオン / 多価単原子イオン / 放出収率 / 放出エネルギー / 飛行時間測定 / 照射効果 / 単原子多価イオン / 2次イオン初期エネルギー / 放出角度分布 |
研究概要 |
本研究課題は、高速領域、つまり電子的衝突過程が支配する速度領域で、重イオンを照射した固体から放出するクラスター粒子の電荷分布、質量分布、放出エネルギー分布、放出角度分布を、入射イオン種とターゲット種を系統的に変えて測定し、電子的スパッタリングの機構の解明を行うことが目的である。 (1)入射イオンはSi、CuおよびAg、ターゲットはAI、Si、Al_20_3、SiO_2を用い、飛行時間分析法により2次イオンの質量分布ならびに放出エネルギー分布を求めた。 (2)不導体ターゲットの場合、非常に大きなクラスターイオンが生成されるのに対し、半導体あるいは導体の場合は単原子イオンのみでクラスターイオンはほとんど生成されない。 (3)ターゲットの伝導性に依らず、多価の単原子イオンが放出する。半導体あるいは導体ターゲットの場合、不導体に比べ、単原子イオンの放出エネルギー値は非常に高い。放出エネルギー値は、ターゲットの伝導性に依らず、イオンの価数にほぼ比例する。 (4)不導体ターゲットの場合、発生するクラスターイオンの放出エネルギーは単原子イオンに比べ非常に低く、また、クラスターイオンの系列が同じものは放出エネルギー分布がほぼ等しい。 (5)電子的スパッタリングでは個々の原子移動に結びつく運動量移行は非常に小さいこと、またイオン飛跡周辺部の比較的エネルギー付与が小さく、結合電子が部分的に抜け、結合のはずれたnmスケールの領域が集団として放出するため、固体表面から放出した後もクラスターとして凝集した状態を保つものと考えられる。低エネルギーでの弾性スパッタリングでは巨大クラスターの放出は希有な現象である。 (6)導体あるいは半導体の場合、単原子イオンは、イオン飛跡部の電離した中心部分から、核的少数回カスケード過程を経て放出すると考えられる。一方、不導体の場合は、解離性結合状態を経て、多価単原子イオンが放出するものと考えられる。多価イオンの生成は低エネルギーイオン照射ではほとんどない。
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