研究課題/領域番号 |
09480119
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
佐竹 研一 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 総合研究官 (50101051)
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研究分担者 |
古田 直紀 中央大学, 理工学部, 教授 (90101055)
田中 敦 国立環境研究所, 化学環境部, 主任研究員 (80171734)
伊藤 裕康 国立環境研究所, 化学環境部, 主任研究員 (50223178)
中井 泉 東京理科大学, 理学部, 教授 (90155648)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 樹皮 / 大気汚染物質 / 入皮 / タイムカプセルの森 / モニタリング / 樹木入皮 / レーザーアブレーションプラズマ発光分光質量分析法 / SRM981 / 鉛汚染 / 環境汚染のタイムカプセルの森 / 足尾 / ミズナラ / X線分析顕微鏡 / 室生寺 / 外樹皮 / ICP-MS / 環境汚染 / 鉛 / 水銀 / タイムカプセル / 英国 / LCP-MS / 汚染 / 有鉛ガソリン |
研究概要 |
大気に直接ふれている樹木の樹皮は、その表面に大気汚染物質をよく蓄積する。そこで樹皮の汚染を指標にした「現代の大気汚染」に関する環境評価は各国で行われてきた。最近、研究は新たな展開を見せ、樹皮を用いて大気汚染の歴史も解明出来ることが明らかとなった。 入皮は樹木の傷の修復過程で形成せされる場合も含め、4つのタイプに分けることが出来る。いずれの入皮も年輪に挟まれているので、入皮を分析し年輪を計測すれば過去の大気汚染がその歴史とともに分かる。私たちがまず調べた樹木は、台風で被害を受けた樹齢約350年の日光杉と、屋久島で伐採された樹齢226年の杉である。調べてみると両者には共通して約200〜250年前の江戸時代の入皮が分布していた。入皮に含まれる鉛の分析の結果、日光杉の場合、江戸時代の汚染レベルを1とすると、現在の汚染レベルは1,000になり、そして、屋久島の場合でも、江戸時代の汚染レベルは約10となった。杉の大木が倒れ五重塔が被害を受けた室生寺の場合、倒れた杉の入皮に含まれていた鉛と水銀の量は、140年前をそれぞれ1とすると、70年前の鉛と水議の汚染レベルも1、そして現在の鉛汚染が40、水銀汚染が3となり、ここ数十年で確実に汚染が広がっていることを示していた。 日本で始まった「環境汚染のタイムカプセル」樹木の入皮に関する研究は、今成果をあげつつある。酸性汚染物質などによる環境汚染の歴史を明らかにし将来の地球環境を考えるため、タイムカプセルの森の創成(入皮による未来環境のモニタリングを行うための森)を含め今後の研究の発展・展開が期待される。
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