研究課題/領域番号 |
09480122
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
清家 泰 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (30243421)
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研究分担者 |
大塚 攻 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (00176934)
大谷 修司 島根大学, 教育学部, 助教授 (50185295)
星川 和夫 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (10229172)
高安 克己 島根大学, 汽水域研究センター, 教授 (00127490)
國井 秀伸 島根大学, 汽水域研究センター, 助教授 (70161651)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
1998年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1997年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 中海本庄工区 / 汽水域 / 生物多様性 / 生態系 / プランクトン / ベントス / 海藻類 / 水質 / RDB記載種 / 動植物プランクトン / 海草 / 魚貝類 / 海鳥 |
研究概要 |
干拓が計画されている中海本庄工区において、1997年と1998年を中心に、工区内外の水質や各種生物分類群の現況把握を生物多様性保全の観点から行った。工区は堤防により中海から分離され、集水域からの流入負荷が小さいため、閉鎖性が強いにも関わらず中海よりも全リン・全窒素濃度は低く透明度は高い傾向にあり、塩分躍層は微弱だった。動物プランクトンは淡水種の出現はなく、カイアシ類やワムシ類が工区内で高密度に生息していた。26種を数えた植物プランクトンは汽水域や内湾に特徴的な種であり、中海のものと類似していた。工区内での優占種はProrocentrum minimumとCyclotella属であった。海藻類は中海及び本庄工区において種子植物3種を含め23種の生育が認められ、工区内ではウミトラノオが優占していた。工区内では絶滅危惧IB類のカワツルモの群落が新たに見つかった。ベントスは主に貝類の組成から6つの群集に分けられた。魚類は汽水域に生息する種類が多く、70種が出現した。カモ類はカンムリカイツブリ、コハクチョウ、ミサゴなどの貴重な種を含め冬季に4万羽が飛来した。藻場や砂礫に生息する節足動物は中海を含む4点において4種の等脚目と8種の端脚目が確認された。アサリを用いた野外観察により、工区内ではホトトギスガイを除くと二枚貝が非常に貧弱である原因は、海藻(シオグサの仲間)の枯死・腐敗物が湖底に停滞することが大きな一因であると推定され、また湖底の大部分を占める水深4m以深ではアサリの成長は極端に悪い事も明らかになった。 今回の調査により、工区内の水質と生物相の現況についてはほぼ明らかになったと考えられる。しかしながら、各種分類群を定量的に結びつけるデータが取れず生態系の構築には至らなかったので、今後はこの点に留意した調査が望まれる。
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