研究課題/領域番号 |
09480127
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
奥本 正昭 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (50100186)
|
研究分担者 |
古田 雅一 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (40181458)
恵 恒雄 大阪府立大学, 先端科学研究所, 講師 (70090462)
森 展子 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (90100221)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 放射線発がん / がん抑制遺伝子 / リンパ腫 / ヘテロ接合性の消失(LOH) / PCR / マイクロサテライト・マーカー / 第12番染色体 / ローカス / マイクロサテライトローカス・マーカー / 第12染色体 |
研究概要 |
リンパ腫発生に関わる遺伝子を明かにするため、亜種間高配マウス(BALB/cHeA×MSN/MS)F_1、および(BALB/cHeA×STS/A)F_1マウスを用い、X線分割照射により発生したリンパ種のゲノムの変化、特にヘテロ接合性の消失(LOH)を検索した。発がんに関わるがん抑制遺伝子を同定するために、高頻度のLOHが観察される領域を絞り込んだ。結果の概要は以下のとおりである。 1.両F_1マウスのリンパ腫の第12番染色体のD12Mit233(セントロメアから52センチモルガン : 52cm)領域において、著しく高い頻度のLOHが観察された。 2.この高頻度のLOH領域周辺に報告されている三つのがん関連遺伝子[Tc/1(T cell lymphoma 1 : T細胞リンパ腫遺伝子1)、Tnfαip2(Tumor necrosis factor-induced protein 2)、Yv1(Yin Yang 1 : 転写因子]を分析した。三つの遺伝子の配列や距離は次のように決定された ; [centromere]-Tcl1-(≧0.085cM)-D12Mit50-(0.085cM)-D12Mit132-(1.96cM)-D12Mit122-(0.085cM)-D12Mit53-(1.37cM)-[D12Mit233,D12Mit279,Yy1]-(0.085cM)-D12Mit181-(0.17cM≦)-Tnf α ip2-[telomere]。遺伝子の詳細な位置と発現状態は、これらの遺伝子が放射線によるマウスリンパ腫発生に寄与する候補遺伝子ではないことを示唆した。 3.D12Mit233を含む酵母の人工染色体(YAC)の末端から得た多型マーカーY184pR2とY152pR1におけるLOH頻度はそれぞれ71%(210例のうち149例)と70%(同147例)であり、前者はこれまでの最高に達した。Y184pR2にLOHのピークがあり、がん抑制遺伝子の存在が予想された。 4.一方(BALB/cHeA×STS/A)F_1マウスの74例のリンパ腫において、第4番染色体(D4Mit31)では20例(27%)、第12番染色体(D12Mit17)では42例(57%)、また第19番染色体(D19Mit11)では37例(50%)にLOHが検出され他の染色体と比べて著しく高かった。これらの領域はそれぞれ、ヒト染色体の9pと1p、14q32、10qに対応する。第4番染色体においてのみ、STS系統特異的アリルの消失が認められた。この領域に存在するがん抑制遺伝子の機能に系統差が存在し、発がん感受性差に関わっている事を示唆している。
|