配分額 *注記 |
8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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研究概要 |
最近、哺乳動物のHSP40(DNAJ)相同体が次々と報告されてきており、現在までにデータベースにあるものを含めて15個以上の相同体が同定されている。酵母では約20個のHSP40(DNAJ)相同体が確認されているが、哺乳動物でいくつの相同体が存在するのかを知る目的で、マウスESTデータを検索することにより、新たに11個の新規の全長cDNAをクローニングし、塩基配列を決定した。これらは暫定的に、mHsp40,mDj3,mmDjA4,mDj4,mDj5,mDj6,mDj7,mDj8,hDj9,mDj10,mDj11と名づけた。推定されるアミノ酸配列からmHsp40,mDj3,mDj11はそれぞれヒトHsp40,ラットRdj2,およびヒトTpr2のオーソローグである。PSORTの解析の結果、hDj9はN-末端にシグナル配列あるので細胞外に局在することになり、このことは、このhDj9と一緒に細胞外で働くパートナーHsp70の存在を示唆している。なお、今回全長の塩基配列は決定できなかったものも含めて、哺乳動物では全部で少なくとも40個以上の相同体の存在が確認された。 また、最近報告されている哺乳動物のHSP40(DNAJ)相同体の命名は非常にわかりにくくてしかもまぎらわしいので、ここにもっと簡単明瞭な命名法を提案した。まず、種の名前を小文字2文字で表す(たとえば、ヒトはhs、マウスはmmなど)。次に、DnaJを意味するDjを書く。また、HSP40(DNAJ)相同体はそのドメイン構造により3つのグループに分けられるので、それをA,B,Cとする。最後に塩基配列の登録順にアラビア数字で番号を付けていく。この命名法により、たとえば、ヒトHdj2/HsdjはhsDjA1、ラットRdj2はmDjA2、マウスHsp40はmmDjB1となる。 また、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)はCAG triplet repeat病の1つであり、アンドロゲン受容体(AR)のCAG(Glutamine)repeatが異常に伸長していることが原因である。この変異ARは細胞内では凝集体を形成するが、分子シャペロン(Hsp70,Hsp40)によってこの凝集体形成が抑制されることを示した。これは生体防御機構の1つであり、蛋白質変異に基づく遺伝子病の予防治療にも応用できる可能性がある。
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