配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2000年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1997年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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研究概要 |
分泌タンパク質,細胞膜タンパク質,リソソームタンパク質などの細胞内輸送は,あるオルガネラから輸送されるタンパク質を含んで出芽した輸送小胞が,標的オルガネラの膜に融合して,内容タンパク質を受け渡すことにより行われる。この輸送小胞の出芽過程には,様々なGTP結合タンパク質が関与している。本研究では,低分子量GTP結合タンパク質ARFのグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)およびARFのエフェクター,高分子量GTP結合タンパク質ダイナミンおよびそのホモログに関して以下のことを明らかにした。 1.ARFの不活性なGDP結合型から活性を有するGTP型への変換を触媒するGEFを3種類(BIG1,BIG2,GBF1)同定した。これらはすべて,ヌクレオチド交換活性に必須なSec7ドメインを有していた。これらのうち,GBF1はシスゴルジネットワークからのCOPIコート小胞の形成に関与することを示した。またBIG2は,トランスゴルジネットワークに存在し,クラスリン/AP-1コート小胞の形成に関与することを示した。 2.新奇のARFエフェクターファミリー(GGA1-GGA3)を同定した。これらにはいずれも,N末端側からVHSドメイン,GGAHドメイン,プロリン・リッチ領域,AGEHドメインが存在していた。これらのドメインのうち,GGAHドメインにはGTPを結合した活性型のARFが結合すること,AGEHドメインにはラバプチン5およびγ-シナージンが結合することを明らかにした。また,GGAはいずれもトランスゴルジネットワークに局在し,クラスリンコート小胞の出芽を調節する可能性を示した。 3.ダイナミンIIは,これまで細胞膜からのエンドサイトーシスとゴルジ体から輸送小胞の形成の両方に関与する可能性が示されていた。しかし,ダイナミンの変異体を用いた解析から,ダイナミンがゴルジ体から輸送小胞の形成には関与しないことを明らかにした。 4.新奇のダイナミンホモログDVLPを同定した。DVLPは分子内および分子間で相互作用し,ホモテトラマーを形成することを示した。
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