研究課題/領域番号 |
09480163
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
菊池 章 広島大学, 医学部, 教授 (10204827)
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研究分担者 |
岸田 想子 広島大学, 医学部, 教務員 (40274089)
安東 知子 広島大学, 医学部, 助手 (20294548)
岸田 昭世 広島大学, 医学部, 助手 (50274064)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
1998年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1997年度: 10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
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キーワード | Ras / Rap1 / Ral / RalBP1 / POB1 / Epsin / 翻訳後修飾 / エンドサイトーシス / RalBPl / POBl / シグナル伝達 / Rapl / G蛋白質 / Raf / がん |
研究概要 |
本研究においてRasの新しいシグナル伝達系の生理的意義について解析した。特にRalGDSを介するRalの活性化機構と本シグナル伝達系の機能を明らかにすることを試みた。 (1) RasによるRalの活性化機構 これまでに、脂質による翻訳後修飾を介して細胞膜に結合しているRasがRalGDSの細胞質から細胞膜へのトランスロケートを引き起こすことを明らかにしていたが、COS細胞においてRasがRalGDSを介してRalを活性化する際にRasとRalの両者の翻訳後修飾が必要であることが明らかになった。Rasの細胞膜への局在とRalの活性化との関連を決定的にするために、Rap1とのキメラを作製した。Rap1はC末端側の翻訳語修飾を介して核周辺に局在するために、Ras/Rap1キメラはRalを活性化できなかった。これらの結果から、RasとRalが細胞膜に存在して、Rasが活性化されると、RalGDSが細胞質から細胞膜へ移動して、その近傍のRalを活性化することが決定した。 (2) Ralの下流分子と機能 Ralの標的蛋白質RalBP1と結合する新規蛋白質POB1(Partner of RalBP1)を単離した。POB1はGrb2と結合し、EGF刺激によりチロシンリン酸化され、EGF受容体と複合体を形成した。POB1のEHドメインに結合する蛋白質としてEpsinを単離した。POB1とEpsinは共に酵母のエンドサイトーシスを制御する蛋白質と共通のドメインを有していた。そこで、Ral、RalBP1、POB1、Epsinのエンドサイトーシスにおける役割を解析したところ、これらの蛋白質の変異体がいずれもEGFとインスリン受容体のエンドサイトーシスを抑制した。したがって、Ralを介するシグナル伝達系がリガンド依存性の受容体のエンドサイトーシスを制御することが決定的になった。
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