配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1997年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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研究概要 |
Escherichia coilにおいてtugor-pressureの調節機構に関わるレギュレーター蛋白質KdpEが認識するプロモーターに結合する,3つのOmpR変異体(G164C/E193V,G164C/E198G,E193K/S195F)が得られている.変異部分はいずれもDNA結合ドメインに見受けられたが,これまでに数多く行われていた生化学的実験により予想されたDNA認識ヘリックス上ではなかった.既に得られているOmpR-Cの立体構造を元に,これら変異部位の位置を確認したところ,変異部位はα1ヘリックス上流(G164)及びα2-α3ループ(E193,S195,E198)に存在し,それらが非常に近い位置に存在した.この事から,これらアミノ酸残基の変異による立体配置の変化がプロモーター認識に影響を及ぼしていることが予想されOmpRファミリーが分子の広い部分でもってDNA配列の認識を行っていることが示唆された.よって,これら変異体のDNA結合ドメインの立体構造を解明し,既に得られているOmpR-Cの立体構造と比較検討する事により,OmpRファミリーによる複雑なプロモーター配列認識機構について,構造学的側面から知見が得られると考えられた.そこで,これら変異体の立体構造解明に向けて,目的蛋白質の精製・結晶化,並びにX線回折データーの収集を行った.Kdpプロモーター認識OmpR変異体DNA結合ドメインの遺伝子を組み込んだ大腸菌から,高純度の目的蛋白質を精製した.このサンプルを限外濾過法により濃縮,結晶化を行ったところ,蛋白質濃18mg/ml,0.1M Tris pH8.0,10% PEG8K 20% Glycerol,18℃の条件において,結晶を得ることに成功した.この結晶を用いてのX線回折データー収集は,高エネルギー加速器研究機構放射光施設Photon Factoryにおいて行った.
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