配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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研究概要 |
本研究では、神経組織に特異的に発現する一群のRNA結合蛋白質(Hu蛋白質)の細胞内機能を解明するとともに、この蛋白質の機能発現調節に細胞内情報伝達系がどのように結びついているのかを明らかにしていくことを目的として、申請者が既にマウスから分離した3種類のRNA結合蛋白質(mHuC,mHuD,Mel-N1)を神経様細胞に分化誘導可能な培養細胞であるラットPC12細胞に導入し、それぞれの細胞内局在、生理学的機能などを解析した。mHuC,mHuD,Mel-N1のそれぞれの蛋白質を培養細胞において過剰発現させると、大部分は細胞質に局在すること、さらに、神経成長因子(NGF)による刺激が無い状態にもかかわらず、Hu蛋白質を過剰発現したPC12細胞が神経突起を伸長した分化形態を示すことが明らかになった。また、HuD蛋白質を中心にした欠失変異体の細胞内局在の解析を行った結果、2番目と3番目のRNA結合ドメインの間に存在するリンカー領域内に、核移行シグナル配列と核外移行シグナル配列が存在することが示唆された。さらに、核外移行シグナル配列を同定するとともに、その性質を検討した結果、既知のものとは異なる新しいグループに属するシグナル配列であること、また、このHu蛋白質の核・細胞質間のシャトル機能がHu蛋白質の神経突起伸長の誘導に必須な役割を果たしていることが示唆された。加えて、Hu蛋白質の抑制型変異体を用いた解析から、マウスP19細胞のレチノイン酸による神経分化がHu蛋白質の機能に依存したものであることが明らかになった。
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