研究課題/領域番号 |
09480201
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
梅田 真郷 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (10185069)
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研究分担者 |
竹内 研一 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (70270684)
伊藤 康一 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (30291149)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | リン脂質 / 細胞骨格 / 脂質二重層 / 細胞膜 / 神経細胞 / アクチン / 酵母 / ホスファチジルエタノールアミン / ニューロン / マクチン / 変異体 / 変異株 |
研究概要 |
細胞骨格系の中でアクチンフィラメント系は細胞質分裂、細胞の分化・移動、細胞間相互作用、神経細胞における突起の形成、軸索誘導、シナプス形成において重要な役割を担うことが示されてきている。これらの様々な局面で、細胞内の特定の部位で局所的にアクチンフィラメント系の再編が行われているが、その位置情報がどのような因子により決定されているのかは明らかではない。一方、細胞の形質膜あるいは細胞内小器官の膜においてリン脂質二重層の内外で非対称に分布することが知られている。このリン脂質の非対称分布は膜の融合あるいは膜結合性酵素の活性制御等に関わると想定されているが、いかなる因子が生体膜中での配向性を規定し、細胞活動のいかなる局面に関わるのかは不明であった。本研究において、我々は生体膜中に存在するリン脂質分子を特異的に認識するプローブ群を開発し、膜中でのリン脂質分子の動きを可視化することに成功し、生体膜におけるホスファチジルエタノールアミン(PE)の局所的な非対称分布の変化がその局面における細胞骨格系の再編を引き金となることを見い出した。さらに、酵母変異株の樹立・解析を通して、脂質二分子膜間でのリン脂質配向性を制御する新たな分子ROS3を見い出し、同分子がアクチンフィラメントの再編および細胞極性の形成の制御に関わることを明らかにした。 従来、細胞質分裂あるいは形態変化などの細胞のダイナミックな動きは骨格系蛋白質の解析が中心となって研究が進められており、骨格系を包む膜系は細胞骨格の動きに付随するものと想定されていた。本研究によって、膜リン脂質の動きも細胞骨格系の制御に密接に関わり、両者の時間的・空間的協調を介して膜のダイナミズムが制御されていることが明らかとなった。また膜・細胞骨格の新たなクロストークを担う分子としてROS3が同定された。
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