研究課題/領域番号 |
09480208
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
発生生物学
|
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
藤澤 敏孝 (藤沢 敏孝) 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助教授 (60000262)
|
研究分担者 |
服田 昌之 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助手 (00249947)
清水 裕 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助手 (60178986)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | ヒドラ / ペプチド性シグナル分子 / 網羅的単離・同定 / 上皮ペプチド / モルフォジェン / 形態形成 / 神経細胞分化 / 形態形成因子 / 神経ペプチド / 神経のホメオスタシス / 足部形成活性化ペプチド / 神経分化 / 負のフィードバックシグナル / 正のフィードバックシグナル |
研究概要 |
淡水の腔腸動物ヒドラから発生に関与するペプチド性シグナル分子を網羅的に単離同定するプロジェクトを推進した。その結果、約300のペプチドを単離し、120についてアミノ酸配列を決定した。現在までに、15画分中4画分の単離を終えた。 興味あるペプチドとして、以下のものを得た。上皮ペプチド:Hym-323とHym-346。両者ともヒドラ体軸に沿う位置価に影響を及ぼし足部形成を促進するモルフォジェン様ペプチドである。アミノ酸配列、遺伝子、抗体の解析からこれらは全く異なったペプチドであった。これらの遺伝子の正常および再生ヒドラにおける発現を解析した。正常ヒドラで、Hm-346は足部内胚葉上皮に特異的に発現するが、同時に触手基部でも強い発現が見られた。このことはHym-346は触手形成に関わる可能性を示唆する。足部再生においては、Hym-346は初期に発現を開始し足部形成後も発現を続ける。このことはHym-346が足部形成だけでなく維持にも必要なことを示す。一方、Hym-323は足部形成中ずっと発現を続け、成熟した足ができて初めて発現を停止する。従って、Hym-323は足部形成に必要だが、維持に不要であることを示唆する。また、新規のペプチドHym-301は14アミノ酸残基からなり分子内S-S結合をもち、C-末端がアミド化したペプチドである。この遺伝子および抗Hym-301抗体を用いた発現、局在解析から、Hym-301は頭部外胚葉上皮細胞に特異的に存在する上皮ペプチドで、Hym-301をヒドラに与えると触手形成が促進され、逆にRNAiによる遺伝子発現を阻害すると触手形成が抑制された。このことからHym-301は触手形成に関わるペプチドであると結論した。C-末端がアミド化したペプチドで形態形成に関わる例は本研究が最初である。 一方、神経ペプチドとしては、神経分化を正に制御するHym-355を得、上皮ペプチド族PW peptidesとの拮抗作用で、神経集団を一定に保つフィードバックループを形成することが明らかになった。その他、筋収縮を司る神経ペプチドを2種も同定した。
|