研究課題/領域番号 |
09480214
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
河田 光博 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (60112512)
|
研究分担者 |
森田 規之 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50239662)
西 真弓 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (40295639)
小澤 一史 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (60169290)
由利 和也 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (10220534)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
1998年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1997年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
|
キーワード | 性ホルモン / エストロゲンレセプター / 生後発育 / アポトーシス / 強制発現 / 視索前野 / 雌雄差 / GFP / ステロイドホルモンレセプター / ポリクローナル抗体 / プローブ / 免疫細胞化学法 / in situハイブリダイゼーション法 / 脳内分布 / 部位特異的発現 |
研究概要 |
ステロイドホルモン、とくに生後発育における性ホルモンの脳組織構築の分化への役割を明らかにするため、脳組織での細胞死を検索した。また、性ホルモンのレセプターの細胞内動態をあわせて追究した。 Y染色体によるTDFの存在とそれによってもたらされるアンドロゲンが雄型に身体を分化させ、脳を雄性化させる。一方、TDFが存在しない、つまりアンドロゲンがないと身体を雌に分化させ、脳は雌性型となる。つまり、われわれは基本的に雌性になるようなボディプランイングがなされており、アンドロゲンは雄性化、脱雌性化させることになる。雄の視床下部視索前野よりも雌の方が細胞死を呈する細胞が多く、この細胞死は組織化学的にアポトーシスであることを確かめた。このことによって、成熟脳で雄の方が雌よりも視索前核の体積が大きいことを説明できる。また視索前核室周囲部においては逆に成熟脳では雌の方が雄よりも容積が大きいのであるが、生後においては雄の方がアポトーシスを呈する細胞が多く見られた。 このように部位によって雌雄の性による細胞死の調節が行われており、性ホルモンレセプターの部位特異的発現によってこの現象が制御されていると考えられたため、性ホルモンレセプターの細胞内動態を培養細胞を用いて検索した。エストロゲンレセプターαのDNAの一部をGFPプラスミッドベクターに組み込ませ、培養細胞に強制発現させた。その結果、エストロゲンレセプターαはリガンドの存在の有無にかかわらず、核内に存在していることが明かとなった。 これらから、ステロイドホルモンの神経組織の分化、細胞死の調節機構において、性ホルモン環境とそのレセプター発現がきわめて重要な意味を持つことを明らかにした。
|