研究課題/領域番号 |
09480229
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 伸郎 (加藤 信郎) 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10152729)
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研究分担者 |
宝子丸 稔 京都大学, 医学研究科, 講師 (70211539)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | シナプス可塑性 / 長期増強 / 長期抑圧 / カルシウム放出 / シナプス伝達 / カルシウム流入 / 細胞内小胞体 / カルシウムイメージング / カルシウム / 大脳皮質 / 海馬 / 活動電位 / シナプス / カルシウムチャンネル / 神経可塑性 / 細胞内カルシウム / カルシウム測光 |
研究概要 |
ニューロン間のシナプスの伝達効率は上下両方向に可変である。シナプス伝達長期増強・抑圧(LTPとLTD)の誘導に際しては、そのいずれにも細胞内カルシウムが関与している。しかし、一旦細胞内カルシウムが上昇したときにLTPとLTDのどちらが弁別的に誘導されるかを決める機構は不明である。本研究においては、細胞内カルシウムストアからのカルシウム放出はLTPよりもむしろLTDを促進させることを明らかにした。神経活動依存的に細胞内カルシウム放出が実際に起こることも明確に報告した。従来カルシウム放出は細胞内での化学反応を介して調節されることが知られており、こうして起こるカルシウム放出は神経細胞の活動を反映する活動電位に比して極めて遅い時間経過をとる。したがって神経細胞の活動に追従できるほど充分に高速のカルシウム放出が起こるかは不明であった。これに関連して研究をすすめるうち、我々は新規のカルシウム放出機構の存在を明らかにした。ついで、この機構によるカルシウム放出が活動電位依存的に起こることを報告した。この新規カルシウム放出機構に機能的意義を調べたところ、活動電位の発火頻度を負帰還的に制御することによって細胞の興奮性制御に関与することが判明した。海馬CA1における標準的なLTPとLTDの誘導プロトコールにおいては、刺激周波数が重要な意味を持つため、この新規のカルシウム放出機構がシナプス可塑性誘導にも深く関わることが示唆される。本研究により、活動電位起因性のカルシウム流入がLTP誘発を、活動電位起因性のカルシウム放出がLTD誘発を規定していることが支持された。これらの実験から、異なったタイプのソースから供給されるカルシウムがそれぞれ別のカルシウム依存性分子群を活性化して、LTPかLTDかという異なった最終結果をもたらすという仮説がより強く支持されてきた。
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