研究課題/領域番号 |
09480255
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
芹澤 武 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (30284904)
|
研究分担者 |
岸田 晶夫 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 部長 (60224929)
明石 満 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20145460)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
|
キーワード | 遺伝子発現 / RT-PCR / mRNA / 脂質膜 / 転写因子 / NF-κB / 生体適合性 / LB膜 / コラーゲン / HSP47 / Langmuir-Blodgett(LB)膜 / 脂質単分子膜 / リン脂質 / RT-PCR法 / Type I collagen |
研究概要 |
1. 脂質膜上での細胞の遺伝子発現をRT-PCR法により評価した。再現性に注意し、広く一般に応用可能な実験方法確立のための最適化を行った。 2. 脂質膜に対する脂肪の反応は、これまでに報告されている材料に対するものとは異なり、表面自由エネルギーおよび電荷などでは説明が不可能なものであった。また、経時変化についても脂質膜への反応は従来の材料に対するものよりも早期に惹起されていることが示唆された。 3. 一連の脂質を用いた研究と、細胞の初期の反応性を評価するためのマーカー分子の探索の結果から総合的に判断すると、PCRによる遺伝子発現解析よりも、より早期に発現する細胞内分子の評価が脂質膜の評価に有用であるとの結論に至った。対象となる細胞分子はシグナル伝達経および転写因子である。本研究ではこれまでに検討した遺伝子発現と関連していると思われる転写因子活性について検討を行った。 4. 転写因子として、種々のmRNA発現に関連していると思われるNF-κBに着目した。材料評価のためのNF-κBの実験系は鹿児島大学医学部臨床検査医学講座の協力を得て、独自に作成した。RT-PCR法とならぶ新しい材料評価法としての普及を期待している。 5. 脂質膜と2,3の親水性医用材料について転写因子活性を評価した。脂質膜上では15分以内に転写因子活性が高まり、その後平常値に戻ることが分かった。親水性材料については24時間後に活性が高まっており、慢性的な生体反応を引き起こしていることが示唆された。この結果から、RT-PCR法で観察された脂質膜の生体活性は、非常に早い時期で細胞に認識されることによって引き起こされており、これが従来の材料との差を生じる原因になっていると考えられた。
|