研究課題/領域番号 |
09490001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
仁平 義明 東北大学, 文学部, 教授 (10007833)
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研究分担者 |
畑山 俊輝 東北大学, 文学部, 教授 (90048801)
樋口 広芳 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10111486)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | ハシボソガラス / 車利用行動 / クルミ / 学習 / 伝播 / 投下行動 / 道具利用 / 道具使用 |
研究概要 |
本研究は、ハシボソガラスの自動車利用行動、すなわち、自動車にクルミをひかせて割り中身を食べる行動が、いかにして学習され、学習された後も消滅をせずに利点のある行動として維持され、他の個体へと伝播していくかの問題を扱った研究である。 1 本研究においては、第一に、ハシボソガラスの自動車利用行動が成立するための種々の条件を明らかにした。 地理的条件については、自動車利用行動は、水系に依存するオニグルミが繁茂できる自然環境と、ある程度の交通量という人間社会とが融合した境界に出現する「境界現象」であることが明らかにされた。 自動車の走行速度とひかれたクルミの散乱の関係を検討した実験からは、適度な走行速度が付加的な必要条件の一つであることが示された。 2 さらに、自動車利用行動を構成している行動要素を分析した結果、自動車利用行動は固定的単一解をもった単純な行動ではなく、多くの要素を考慮した柔軟な複数解をもって行動であることが明らかにされた。すなわち、自動車利用行動は認知的スキーマに基づく行動であるといえた。 3 自動車利用行動が利点を持った行動として維持される条件については、自動車利用行動とクルミの投下行動のエネルギー効率比較の研究を行なった。その結果、二種類の行動のエネルギー効率には差異がないことが確認された。 また投下行動についても観察研究と実験的検討をおこない、その利点とバリエーションの範囲を明らかにした。 4 自動車利用行動が他の個体に伝播するルートは、親子間伝播である可能性が残された。
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