配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1997年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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研究概要 |
超流動^3Heは異方的な性質をしめすP波超流動であるので,簿膜等の2次元系の振舞には興味が持たれる.この研究では超流動^3HeHe薄膜の物性を研究するための新しい手法として,インターディジタル(ID)電極を用いる実験方法の確立を目的とした. 電子線描画装置を用いて,ID電極を作成し、第3音波検出器を作成した.ID電極は2×2mm^2の領域に太さ10μmのアルミニウム細線を20μm間隔で平行に並ぺた櫛形の形状をもつ電極である.この電極に交互に電位差をあたえることで電極間に電場を集中的に発生させ,電場の力を利用して液体He膜を駆動する. このID電極を用いて,超流動ヘリウム3薄膜上での第3音波検出の実験を行い,超流動に特有のフィルムフローという現象を観測することができた. 超流動ヘリウム3薄膜での第3音波探索は,10kHz程度の周波数領域で,〜10μm波長の第3音波に対して行ったが,検出には至っていない.境界による準粒子散乱によると思われる減衰の効果が依然として大きく,共鳴が見えないものと推察される.周波数を下げた測定を,より低い温度で行う必要があると考えられる. 本研究の目的である,研究手法の開発にはほぼ目処がつき,この方法を用いて超流動^3He薄膜の第3音波を検出する実験を本格的に開始する段階に来た.
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