研究課題/領域番号 |
09554042
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
中林 誠一郎 埼玉大学, 理学部, 助教授 (70180346)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
1998年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1997年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
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キーワード | 非線形電気化学 / 散乱構造 / 自励発振 / 自己組織化 / 散逸構造 / 銀 / アンチモン / 自己規則化 / 空間パターン / 電気分解 / 非線形レーザー分 / 非線形反応 |
研究概要 |
反応をおこなっている電極表面は、エネルギーの消費と物質の出は入りがおこなわれる非平衡な反応場である。電極表面や電流や電圧の時間変化を観測すると、時間と空間域に規則的な構造が現れることがおおい。これは、電気化学的な非線形性に基づく時間領域・空間領域の散逸構造である。本研究では、鉄電極鏡面に現れる酸化物の生成崩壊の空間パターンを観測すると共に、電流の非線形自励発振の発振波形を同時に測定した。電流パルスの立ち上がり時には、多くの場合電極のハジから加速しつつ電極表面を伝播する酸化物崩壊の反応伝播が観測された。しかし、自励発振電流パルスが建ち下がる際には、規則的な酸化物生成パターンを観測することが出来なかった。さらに、同様な測定を磁場中でおこなうと、反応伝播の開始点を磁場の極性で制御できることが明らかになった。加速しながら電極表面を伝わる反応伝播の様子は幾つかの非線形微分方程式を電気化学的な境界条件の基で解き計算機上に現象を再現することに成功した。つまり、非線形電気化学反応の一部を数理的に再構成することが出来た。さらに、他の非線形電気化学系に関する研究を進め、銀アンチモン共析系における空間パターンを実時間で観測し画像データーとして2ミクロンの空間分解能で時間発展を記録した。電極反応が進むと、電極表面にスパイラル波が発生し、これが写いに衝突を繰り返し伝播する様子を始めて明らかにした。非線形波動の空間的な衝突では、線形波とは異なり波の重ね合わせが成り立たないことを2次元顕微画像から明確に示すことに成功した。
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