研究課題/領域番号 |
09555010
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
笹木 敬司 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00183822)
|
研究分担者 |
堀尾 浩司 株式会社 モリテックス, 研究開発室, 研究員
増原 宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029551)
堀田 純一 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80301919)
喜多村 昇 北海道大学, 理学研究科, 教授 (50134838)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
|
キーワード | 放射圧 / 微粒子 / 吸着 / 光計測 / レーザーマニピュレーション |
研究概要 |
本研究では、集光レーザービームが微粒子によって散乱されるときにフォトンの運動量が受け渡されて発生する力「放射圧」を、微粒子と固体界面の吸着現象を解析するための光バネとして利用し、非接触・非破壊的にファン・デル・ワールス力を計測する新しい手法を開発した。ただし、吸着力は10^<-6>Nオーダーと強く、従来微粒子の操作に用いられてきたCWレーザーの放射圧では比較にならない。そこで、高強度のパルスレーザー(ピークパワー10^5W程度)を微粒子の側から平行光で照射し、瞬間的に発生した強い放射圧が吸着力を上回って微粒子が飛散するときのレーザー光強度から吸着力を求めるシステムを開発した。試作したシステムを用いて微粒子の粒径と吸着力の関係、微粒子に色素をドープして放射圧を増強したときの色素濃度とレーザー光強度しきい値の関係について実験を行い、リフシッツ理論から導かれるハマーカー定数やミー散乱理論による放射圧効率との整合性を確認し、本システムの有効性ならびに測定精度・感度を明らかにした。 最近、原子間力顕微鏡を利用して微粒子に作用する微小な力を測定する試みも活発に成されているが、探針が微粒子や溶液と相互作用して系の物理・化学的状態が乱されるとともに、探針に完全に固定された微粒子は本来の挙動が抹消されてしまいin site測定は実現できない。これに対し、放射圧による光バネを用いれば微粒子と基板の吸着力を非接触に直接測定することができる。最近注目されている半導体ナノクリスタル、有機超微粒子、高分子凝集体、ミセル、色素分子会合体などの微粒子においても固体界面との相互作用は重要な課題であり、本システムによりそのメカニズムを解明することで新しい機能材料開発への道が開けるものと期待できる。
|