研究分担者 |
土屋 総二郎 デンソー株式会社, 生産技術部, 研究部長
酒井 克彦 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (80262856)
中本 剛 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (30198262)
松室 昭仁 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80173889)
TSUCHIYA Sooichiro Denso CO Ltd., Development Research, Manager
|
研究概要 |
本PCR加工法は,円周方向に遊星圧延を行っているとみなすことができ,圧延で可能な圧接は本加工でも充分に可能と期待できる.異種材料の丸棒を軸方向に摩擦圧接し,必要箇所のみ高機能を持たせる加工は既に実用化されている.ところが,従来の軸方向摩擦圧接を円管に適用しようとした場合には,充分な接合強度を得るためにフランジを設けるなどの付加的箇所,付加的加工を必要とする.本加工では,何ら付加的箇所のない円管の接合端部に準備工程で口拡げと口狭めを行えばよい.さらに,摩擦圧接では丸棒に回転,軸方向の力を加えるために,製品寸法が限るれるが,本加工法では工具に回転,軸送りさせればよく,大物長尺円管の接合が可能である. PCR加工により以下の条件で円管の半径方向重ね圧接を行った.テー パーローラー工具はNTN製(ローラー個数14,ローラー角12.5°,最外包絡円径64.6mm),ダイスは内径69.0mmで縦半割り構造,加工機械は普通旋盤,試験用素材は高強度の固溶強化型アルミニウム合金A5052-H14の押出し円管とした.走査電子顕微鏡観察,ひずみ測定,接合強度測定などにより圧接過程,機構,条件について以下の結論を得た. (1) 接合部の特徴領域はI領域(Interpenetration region,食い込み領域),P領域(Pressure welding region,圧接領域),S領域(Smooth region,平滑領域),A領域(Abrasion region,擦過領域),T領域(Through region,通り抜け領域)に分かれ,特に圧接のP段階を生じさせることが重要である. (2) 圧接可能条件は壁厚減少率Rが0.4以上および重ね合わせ長さlが10mm以上である. (3) せん断圧接強度の約45MPaは対象材料であるアルミニウムA5052に対しては充分な結合強度である.
|