研究課題/領域番号 |
09555064
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
曾根 良夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (80025923)
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研究分担者 |
大林 哲朗 (株)大阪真空機器製作所, 技術センサー開発グループ, グループ長代理
杉元 宏 京都大学, 工学研究科, 講師 (50222055)
高田 滋 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60271011)
大和田 拓 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40223987)
青木 一生 京都大学, 工学研究科, 教授 (10115777)
大林 哲郎 (株)大阪真空機器製作所, 技術センター開発グループ, グループ長代理
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | 真空ポンプ / 熱遷移流 / ポアズイユ流 / 希薄気体 / ボルツマン方程式 / 気体分子運動論 / 蒸発・凝縮流 / 真空工学 |
研究概要 |
申請題目の研究を次の二方面から行った。 1. 温度場によって誘起される希薄気体の流れの研究 上記流れを用いての動部分のないポンプ実用化の可能性を知るために、この流れの総合的研究を行った。 (1) 加熱された板の尖端付近に流れが誘起されることを、実験的にはじめて示すと共に、その物理的機構を明らかにした。 (2) それぞれが一様な温度に保たれた二重楕円筒間の希薄気体に誘起される流れを気体論に基づく数値解析によって明らかにした。系のクヌーセン数が小さい場合を除き、流れの様子は系の大局的形状に大きく影響されることが示された。 (3) 周期的な溝と温度分布を持つ円管内に誘起される希薄気体の一方向流れとそのポンプ効果を気体論に基づく数値解析によって明らかにした。その結果、さきに代表者が解析した二次元流路の場合に比べて数倍のポンプ効果があることがわかった。 (4) (3)項のような、平均的に温度および圧力勾配のない流路に、一方向流れを誘起させることができることを簡単な実験によって示した。この実験によっても流路の形状が一方向流れの誘起に重要な役割をはたすことが示された。 (5) 以上の成果に従来の結果を合わせて、温度場によって誘起される希薄気体の流れについての情報を体系化した。 以上の研究により、熱遷移流を利用した、動部分のない真空ポンプの実現が困難でないことが示された。 2. 蒸発・凝縮流の研究 クライオポンプにおいて重要な蒸発・凝縮を伴う流れの基礎的研究を行った。 (1) 球状凝縮相からの弱い蒸発流とそれへの弱い凝縮流を解析的、数値的に研究し、流れの詳細を明らかにした。さらに、オンサーガーの関係式が任意の希薄度に対して成り立つことを示した。 (2) 平面凝縮相へ遷音速凝縮流を気体論に基づいて解析し、解の解析的構造、特に定常解が存在するためのパラメータの範囲が音速を境にして不連続的に変化する数学的、物理的機構を明らかにした。 (3) 蒸発・凝縮を伴なう二重円筒間のクェット流を解析的、数値的に研究し、新しい型の解の分岐の存在を示し、分岐の起こるパラメータの範囲やその物理的機構等を明らかにした。
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