研究分担者 |
佐藤 兼一 住友電気工業, 大阪研究所, 超伝導研部長
雨宮 尚之 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (10222697)
河村 篤男 横浜国立大学, 工学部, 教授 (80186139)
平井 敦之 安川電気, メカトロ事業部, 課長(研究職)
HIRAI Junji Ysukawa Electic Co., Mechatronics Business G., Manager
平井 淳之 安川電気, メカトロ事業部, 課長(研究職)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1997年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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研究概要 |
本研究は一次巻線に高温超伝導導線材を用い,二次導体にバルク高温超電導体を用いた高推力・高制御性全超伝導電磁リニアアクチュエータ(以下超伝導アクチェータという)の開発を目的としている.すなわち,実用的超伝導アクチュエータ実現のための課題を抽出しその解決策を見いだし,基礎要素技術の確立と設計手法を明らかにすることを目指している. 本年度の研究実績は以下の通りである. 1)バルク導体をリニアアクチュエータ中で使用する場合の電磁環境を想定し,補足磁界の減衰の経時変化,および,交流磁界のさらされた場合バルクに発生する交流損失特性を計算した. 2)補足磁界の減衰の経時変化に関して,数日にわたって減衰特性を調べた所,指数関数によりその特性を表せることが明らかになった.この結果に基づき評価した結果,10年後にも補足磁束は初期の状態の90%が維持できることが分かった.ただし,アクチェータとして動作している時に交流磁界にさらされる初期補足磁界の70%程度に低下することが判明した.これにより設計にあたっての知見を得ることができた. 3)交流損失特性に関し,補足磁界が存在した場合の1サイクルあたりの交流損失は交流の周波数にあまり依存しないことが明らかとなった.従って,動作状態によって一次巻線電流の周波数が変化するとしても損失の大きさを定量的に評価できる根拠が得られた. 4)アクチェータのスラスターは交互の極性の磁束を補足したバルク材を並べる方法が課題であった.これに関して一回の着磁のプロセスで極性の交互配置を得る方法を考え,実際にこの方法で良好な結果が得られることが確かめることができ,この課題を解決する見通しを得た. 以上,本研究の最終年度にあたり,リニアアクチュエータの基礎要素技術の確立と設計手法を明らかにするという当初の目的をほぼ達成できた.
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