配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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研究概要 |
任意方向の直進や回転運動ができる二次元運動モータとして,サーフェス誘導モータについて検討した。本モータはトロイダルコアと各コイルに独立して電流供給が可能な電機子巻線からなる一次側と,導体板と裏張り鉄板からなる二次側とで構成される。一次側が円形であることに加えて,二次側の導体板や鉄板にも方向性がないために,原理的に任意位置で力の変動を生じない。本サーフェスモータについて以下のことを明らかにした。 1.直進用として2つの巻線群をつくるための各コイルへの電流供給法において,全コイルを使用する方式は推力変換率の面では不利であるものの,発生力の大きさの点で最適である。また,左右巻線群の電流供給法としては,電流の空間分布が進行方向軸に対して,点対称になる場合が最大の発生力が得られる。 2.三相インバータによる電流供給で進行方向を任意に設定できる方式として,巻線分割型サーフェス誘導モータを提案した。これは,本サーフェス誘導モータの構造的特徴を活かして,円形のトロイダルコアに配置された電機子巻線を複数の三相巻線群に等分割し,対角位置の巻線を直列結線して,巻線分割数の半分の三相インバータで電流供給する方式である。6分割型3インバータないし8分割型4インバータ方式が,実用性が高いことを明らかにした。 3.円形の本モータの場合,巻線による移動磁界速度に対する進行方向の等価同期速度は0.88倍であることを明らかにした。直交する2台のリニア誘導モータを用いて二次元運動させる場合と比較すると,2台同時使用では発生力は本サーフェス誘導モータと同等以下であり,移動磁界速度に対する進行方向の等価同期速度は0.707倍となる。また,1台のみの使用では発生力が小さいなど,性能面での本モータの優位性を明らかにした。
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