研究課題/領域番号 |
09555092
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橋詰 保 北海道大学, 量子界面エレクトロニクス研究センター, 助教授 (80149898)
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研究分担者 |
藤倉 序章 北海道大学, 工学研究科, 助教授 (70271640)
関 昇平 沖電気工業(株), 研究開発本部・半導体研究所, グループリーダー (
呉 南健 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (00250481)
赤澤 正道 北海道大学, 工学研究科, 助教授 (30212400)
長谷川 英機 北海道大学, 工学研究科, 教授 (60001781)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1998年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1997年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | インジウムリン / ショットキー障壁 / 界面制御 / 電気化学プロセス / シリコン超薄膜制御層 / HEMT |
研究概要 |
本研究では、次世代通信用キーデバイスの実現に向けて、新しい電気化学プロセスによるショットキー界面制御技術とシリコン超薄膜制御層を利用したMIS界面制御技術を用いて、「超高速ショットキーゲートInAlAs/InGaAsHEMT」と、「超低消費電力性と大振幅動作性を有する絶縁ゲートInAlAs/InGaAsHEMT」を試作・開発することを目的とした。得られた成果を以下にまとめる。 (1) エッチングと金属膜堆積を同一の電解液中で行い、さらにパルス波形電圧を利用する「電気化学プロセス」によって、n-InP,n-InGaAs,n-InAlAsに対して、熱電子放出理論に従った電流輸送特性を有する良好なショットキー接合を形成することが可能となった。 (2) スパッタ法により形成したTi/n-InP構造の界面反応を、オージェ電子分光法、X線電子分光法、X線回折法により詳細に評価し、電気的特性との相関よりオーミック電極形成機構の検討を行った。500℃前後の短時間熱処理によってTi-P化合物相が界面に生成することにより良好なオーミック性を示すことが明らかになった。 (3) n-InPに対して「シリコン超薄膜界面制御技術」を適用することにより、最小界面準位密度2x10^<10>cm^<-2>eV^<-1>の非常に良好なSiN/n-InP界面構造を形成することに成功した。1)まず、数値計算によってSi界面制御層の膜厚の最適値を設計した。2)次にこの計算結果に基づき、1nmのSi層を分子線エピタキシー法により成長し、その表面を部分窒化し、ナノメートル領域で制御された、SiN/Si/n-InP構造を実現した。 (4) InGaAs表面に光CVD法でSiN膜を堆積してMIS構造を作製し、1Hz〜1GHzの広範囲におけるMISアドミタンスをC-V法により評価した。界面準位の寄与によるMISアドミタンスは、100MHz以上の高周波帯まで応答し、デバイス特性に影響を与えることが示された。 (5) InGaAs/InAlAsHEMT溝造表面に「シリコン超薄膜界面制御技術」を適用することにより、10^<10>cm^<-2>eV^<-1>台の非常に低い界面準位の絶縁ゲート型HEMT構造を作製することが可能となった。 (6) 絶縁ゲート型InGaAs/InAlAsHEMTを試作し、シリコン界面制御技術を適用したHEMTの伝達コンダクタンスは適用しない場合の10倍以上向上し、本プロセスが、絶縁ゲート型超高速・超低消費電力HEMTの実現に有望であることが示された。
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