研究課題/領域番号 |
09555096
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大津 元一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (70114858)
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研究分担者 |
横森 清 株式会社リコー, 研究開発本部RD企画室, 室長
興梠 元伸 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (10251662)
筒井 一生 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (60188589)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
1998年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1997年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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キーワード | 光化学気相堆積 / 近接場光 / ファイバ / プローブ / フォトマスク / 近接場 / 気相化学堆積 |
研究概要 |
近接場光によるナノメータ寸法の光化学気相堆積法(光CVD法)を実現することを提案し、その際、ファイバプローブ先端に生成物が付着するのを防ぐため、前期核形成法を提案した.また同時に直接堆積法についても試みることにした.まず紫外域において伝送損失の少ないファイバを用い、化学エッチング法によって近接場光発生用のファイバプローブを作製する再現性の高い加工法を開発した.これは基本的には緩衝ふっ酸溶液を用いた選択エッチング法である.この結果、伝送損失0.1dB/m、近接場光発生効率1x10^<-2>、発生した近接場光のパワー密度1kW/cm^2に達した.これは光化学反応を誘起するのに十分に高い値である. このプローブを真空装置内に設置し、Zn(CH_3)_2蒸気を充満させ、プローブ先端に近接場光を発生させて、Zn(CH_3)_2をZnとCH_3とに解離させ、金属原子であるZnをガラス基板に堆積させる実験を行った.近接場光発生用の光源としてはアルゴンレーザーの第二高調波、エキシマーレーザー光を用いた.また、プローブをガラス基板に近接して安定に走査するための走査コントローラ用計算機ソフトウエア、およびプローブ位置制御のためのせん断応力検出と制御装置を開発した. 以上の装置を用いて、堆積実験を行った結果、Znの幅20nmの曲線状パターンの堆積が確認された.その原子層数は8層程度である.なお、幅20nmの値には測定に用いたせん断応力顕微鏡の分解能が含まれているので、この効果を差し引くと、実際にはさらに狭い幅のパターンが堆積したと判定された.また、この方法は従来の光CVDと異なり、プローブ走査により、任意のパターンが描けることが特長であり、今回もループ状の曲線状パターンを描くことができた.この方法は集積回路のフォトマスクのリペアなどに応用可能である. パターンの幅は堆積時間によらず、ファイバプローブ先端形状に依存すること、高さは堆積時間に比例することが確認された. さらに、今後の発展の可能性を探るために、真空装置内にZn(CH_3)_2とともに酸素ガスを充満させ、ZnOの微粒子を堆積させる実験を試み、それも成功した.ZnOは青色発光をする酸化物であり、この実験はナノ光集積回路の実現を示唆するものである.
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