研究課題/領域番号 |
09555108
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平川 一彦 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (10183097)
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研究分担者 |
榊 裕之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013226)
小宮山 進 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00153677)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | テラヘルッ光 / 遠赤外光検出 / 量子ホール効果 / 半導体ヘテロ構造 / 2次元電子 / サイクロトロン共鳴 / ランダウ準位 / エッジ状態 / テラヘルツ光 / 遠赤外光 / 半導体へテロ構造 |
研究概要 |
半導体ヘテロ構造中に形成される2次元電子系に強磁場を印加すると、サイクロトロンエネルギーの間隔で隔てられた、ランダウ準位と呼ぱれるこの0次元的な電子状態が形成され、それを反映して量子ホール効果という物性が発現することが知られている。我々は、量子ホール効果状態にある2次元電子系の磁気抵抗がテラヘルツ光の照射に対して、極めて高感度に変化することを見いだし、この効果を超高感度テラヘルツ光検出に利用する事について検討している。 本研究で得られた成果は以下の通りである; (1)変調ドープヘテロ構造にテラヘルツ光を照射したとき、特に量子ホール効果状態になるとき、磁気低抗が大きく変化することを見いだした。またその光磁気低抗変化の励起スペクトルの測定から、その発生機構として、(i)特異な状態密度を反映した光吸収による電子温度上昇と(ii)試料端付近の電子状態が光励起された電子-正孔により変化する効果、の2種類の効果が寄与していることを明らかにした。 (2)本素子の感度は、バイアス電流が低い領域では、バイアス電流に比例して増加するが、さらに電流を増加させたときに起こる量子ホール効果のブレークダウン近傍では、テラヘルッ光感度がきく上昇することを見いだした。この効果は、光励起電子が種となり、それが強いホール電界により雪崩増倍を起こすことに起因している。 (3)テラヘルツ光検出器の性能を特徴づける物理量として重要な雑音の評価を行い、1kHz程度までの周波数では、1/fノイズが支配的であり、バイアス電流の増加とともに急激に大きくなることがわかった。感度がほぽバイアス電流に比例することを考え合わせると、最大の検出能は数μAという比較的小さなバイアス電流の時に得られることが明らかになった。 (4)量子ホール効果テラヘルツ光検出器の検出能は3Xl0^<13>Hz^<1/2>cm/W程度と見積もられ、市販のポロメータの約50倍程度の高い検出能が得られることがわかった。
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