研究概要 |
2次元の画像に含まれる情報から特徴を抽出してパターン認識を行う並列知能処理システムを実現するために,システムアーキテクチャと回路構成を考案し,イメージセンサーを含む画像処理機能LSIチップを実現した.パルス変調信号(PWM)を用いたアナログ・デジタル融合回路と2次元並列信号処理アーキテクチャに基づいて,光センサで受光した光強度信号をパルス幅信号に変換して効率よく処理するピクセル回路と画像データの特徴を抽出する並列処理回路アーキテクチャを考案し,その処理機能と性能をシミュレーションにより評価した.64×64個のピクセルアレイ,センサ上で並列処理を可能とするアドレス回路,信号処理回路などを画像処理機能LSIのテストチップ(0.8μmCMOS技術,チップサイズは15mm×15mm)を設計,試作した.実際の画像入力による測定システムを開発して,試作したテストチップの機能及び性能の計測評価し,設計どおりの機能や性能が得られていることを確認した.この研究成果は文字,図形,物体,顔の認識システム,ロボットの高度な視覚処理,交通安全のための制御システム,セキュリティのための認識・照合処理などに適用可能であり,将来の知的情報化社会に大きなインパクトを与えることが期待される.
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