研究概要 |
本研究は,光接続ネットワークと並列光演算技術を融合させた並列演算アーキテクチャOAL-NC(Optical Array Logic Network Computing)における光情報ネットワークプロセッサの試作を目的とする.本年度の研究により得られた成果・知見は以下の通りである. 1. OAL-NCネットワークプロセッサ用離散相関演算光学系の設計において,曲率・面間隔に対する自動設計と既存レンズによる置換とを組み合わせた設計手順を開発し,6枚レンズによる歪曲収差を抑えた良好な光学系を得た. 2. 設計光学系を試作し,設計値どおりの低歪曲収差特性を確認した.ただし,光源に用いた発光ダイオードの放射特性により光量効率は0.0005%にとどまり,光源部分の再設計の必要性が示唆された. 3. 離散相関光学系のためのプリズムアレイを作製するために,光硬化性樹脂を材料として用い,頂角の高精度化のためにトワイマングリーン干渉計を利用する手法を開発した.プリズムアレイを作製し,頂角の作製精度約2分を得た. 4. 試作した離散相関演算光学系をOAL-NC試作システム(並列度16×16)に組み込み,その動作特性を評価した.光硬化性樹脂によるプリズムを用いて,光アレイロジックに従ったXOR演算が実行されることを確認した. 5. 光学系の集積化の検討のため,レンズ,プリズム及びフレームを光硬化性樹脂を用いて一体化形成した離散相関光学系モジュールを試作した.直径15mm、焦点距離21.8mmのレンズ2個による4f光学系のフーリエ面にプリズムアレイを置いたもので,結像分解能は16lp/mmであった.
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