研究概要 |
平成9年から平成10年の2年間において,耐荷力実験や耐震実験など鋼構造実験に関する情報の公開に関する基盤研究を行い,インターネット上で利用可能なデータベースシステムを開発し,以下のような成果を得た. まず,耐震実験に関する情報を収集・整理し,また,これまでに作成された鋼構造実験データベースについても,新システムに適合するように整理した.その後,それらの貴重な実験データをインターネット上で提供できるプロトタイプシステムを作成した.それにより,これまでに行われた貴重な実験情報の散逸を防ぎ,またそれらの情報に対し,世界各国からアクセス可能とした. また,開発段階において,実験データのインタラクティブ性を確保するためには,Java言語が最も優れていることを明らかにし,ユーザーの使用機種に依存しないデータベースシステムをJava言語で作成した. 実験情報を取り扱うデータベースの試みとして,実験状況などの画像やグラフィックなどのマルチメディア情報を取り入れ,実験情報の視覚的支援を可能にした.また,実験の理解を援助する情報をハイパーテキスト化し,ユーザーの知識レベルに幅広く対応できるデータベースを作成した. 以上のようなシステムを開発し,その実用段階の考察として,数人の研究者に使用してもらい,その有用性についても確認した.さらに,様々な機関で行われる実験情報の共有のありかたに関して考察し,今後の実験データ追加についても,その方法と可能性を模索した.また,データベースの教育への利用の可能性についても検討を行った.
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