研究分担者 |
藤野 陽三 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20111560)
木村 吉郎 (木村 吉朗) 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50242003)
北川 徹哉 (北川 哲哉) 日本大学, 理工学部, 助手 (10287584)
若原 敏裕 清水建設株式会社, 和泉研究室, 主任研究員
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研究概要 |
自然風の風速変動と風向変動を模擬する新しい風洞装置を開発することで目的として,ファンを駆動するACサーボモータの回転をコンピュータで生成した電圧変動で直接制御する方式の風洞を複数本組み合わせ,それぞれの風洞から吹き出された気流を合成する方式により,風速と風向が所要の非定常変動をする気流変動を作成する風洞システムを開発することを試みた.得られた成果と知見は以下のようである. (1)ACサーボモータ風洞2本を、軸の交差核45°で配置し,2本の風洞の気流を合成した.2本の風洞から定常気流を吹き出させたとき,合成気流は脈動などを生じることがなく,風速と風向に定常性を有する気流が得られる. (2)2本の風洞から発生する気流の定常風速をさまざまに組み合わせたときの合成気流の風向・風速を求めた.その測定結果に基づいて,2本の気流の風速と合成気流の風向・風速との関係を表す関数を定義した. (3)定義した関数を用いて,合成風の風速と風向が同時に正弦変動する気流変動を発生させ,この方式によって風速と風向がともに非定常に変化する気流変動を生成することができることを示した. (4)以上の方法を用いることによって,主流方向変動と主流直交方向変動がともにカルマンスペクトルに従う気流をも生成できることを示した.この気流は少なくとも合流点からの下流に吹き出し口口径の2倍程度の範囲で所要の変動特性を保持している.変動特性の一様性は,2方向気流の交差面に直交する方面ではよく維持されているが,交差面内の方向は気流が混合する方向であるため品質が低下する. 機械的攪拌機構を備えている他のアクティブ乱流風洞と異なり,本研究の風洞システムはファンの回転を制御する方法のみで風速風法変動を実現している.したがって本研究で開発した変動風生成方法は,ファンの回転数をコンピュータ制御できれば他の不動システムに容易に移植可能である.
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