研究課題/領域番号 |
09555151
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
桜井 春輔 神戸大学, 工学部, 教授 (40031067)
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研究分担者 |
山田 文孝 三井建設株式会社, 設計, 研究員
進士 正人 応用地質株式会社, 技術本部, 課長
芥川 真一 神戸大学, 工学部, 助教授 (70231850)
中山 昭彦 神戸大学, 大学院櫟然科学研究科, 教授 (30237458)
川谷 健 神戸大学, 都市安全研究センター, 教授 (90031111)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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キーワード | 斜面 / 安全率 / 変位計測 / 逆解析 / GPS / 真空透気試験 / 情報化施行 / 斜面の安定性 / 情報化施工 / 画像処理システム |
研究概要 |
申請者らは従来から掘削斜面の情報化施工における計測管理システムの開発を行ってきた。そのシステムの基本的な考え方は、掘削時に行う変位測定の結果から逆解析によって地山の変形特性(変形係数)を求め、その結果から限界ひずみ(強度と変形係数の比)を用いることにより、地山の強度特性(粘着力と内部摩擦角)を求め、さらにそれらを用いて経時的に変化する安全率を推定しようとするものである。これまでに、GPSによる計測方法とその精度、GPS測量で得られる地表面変位のみによるすべり面の位置の同定方法のコンピューターシミュレーションによる確認、マスとしての地盤の限界ひずみを室内試験から推定できること、変位特性から強度特性を求める方法の妥当性、経時的に安全率を計算する方法など、本システムで必要な各サブシステムの妥当性はすべて検証されていた。そこで、本研究では本システムを実際に現場に適用し、そのシステム全体の妥当性及び有効性を検証することとした。 本手法の現場への適用に当たっては、まず、崩壊以前の非常に小さな測定変位を用いて逆解析を行い、限界ひずみを介して強度定数を同定することにより安全率を求めることを基本原理とした。また、現場での変形挙動計測に関しては経済的・実務的な制約条件を考慮し、地表面だけの変位計測で全体の方法論が完結するという点にも力点を置いた。また、推定したすべり面の位置とその周辺の変状を確認するために真空透気試験を適用することにより、変形挙動の分析とゆるみ領域の直接的確認の両面からすべり面を特定できることを確かめた。その結果、変位計測から掘削斜面はもちろん、掘削を伴わない自然斜面の現状の安全率を推定するという目的を達成することができた。最終的には、これまでに蓄積したひずみによる管理基準、ならびに逆解析手法を核とし、最新の計測技術であるGPS測量システム、真空透気試験を合理的な計測・検証の方法として組み込んだ上で全体の方法論を構成し、それが実際に適用可能であることを確かめることができたと考えている。その意味で、本研究の成果は斜面のモニタリングに関して申請者らが従来から行ってきた一連の研究の集大成として位置づけることができ、今後のさらなる適用範囲の拡大が期待されるところである。
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