配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1999年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1998年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1997年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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研究概要 |
本研究は,ガラス表面に光学機能を有する結晶薄膜を作製し,ガラスと結晶の長所を複合化することにより光学特性の高度化・複合化を図り,マイクロオプティクス・デバイスヘと発展させることを目差したものである。ガラスの結晶化制御は,申請者らが開発した超音波表面処理(Ultrasonic Surface Treatment,UST)技術を用いて行った。研究成果の概要を以下に示す。 1.xK_2O・(35-x)Li_2O・30Nb_2O_5・35SiO_2ガラスの表面結晶化について調べた。x=10mol%のとき最も配向性の優れたLiNbO_3の表面結晶化ガラスを作製できた。10K_2O・25Li_2O・30Nb_2O_5・35SiO_2ガラスから表面に析出した結晶層は,いずれもKがLiと部分的に置換したLiNbO_3結晶であった。また,この試料での透明表面結晶化ガラスの作製に最適な熱処理条件は,温度610〜620℃,時間3〜6時間であった。この条件で作製した試料から第二高調波の発生が確認され,その非線形光学定数はd_<33>が6,4pm/V,d_<31>が2.14pm/Vであった。 2.現在,光通信に用いられている波長1.55μmの光を増幅するCa_2Al_2SiO_7:Yb^<3+>,Er^<3+>結晶を含んだ透明表面結晶化ガラスを熱処理により作製し,作製した試料の光導波性に対するUSTの影響について評価を行った。ガラス試料にUSTを施した後,熱処理をすることにより,光導波路機能を有するCa_2Al_2SiO_7:Yb^<3+>,Er^<3+>透明表面結晶化ガラスを作製することできた。熱処理温度・時間を変化させることにより,シングルモードのみならずマルチモードの先導波性を得ることも可能となった。本研究により,透明表面結晶化ガラスがマイクロオプティクス・デバイス材料として有効であることが明らかとなった。 3.この他にも,CsLiB_6O_<10>表面結晶化ガラス,Ga_2S_3-La_2S_3系表面結晶化ガラス,Li_2Si_2O_5表面結晶化ガラスを作製し,非線形光学特性や光導波性などについて評価を行った。 以上の研究により,USTは結晶化開始温度を著しく低下させるため,母ガラスの変形を抑制することが可能である。これにより,光導波路の作製においては非常に有効な技術であることが明らかとなった。
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