研究課題/領域番号 |
09555194
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
小林 健吉郎 静岡大学, 工学部, 教授 (20153603)
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研究分担者 |
篠崎 充広 住友化学工業株式会社, 基礎化学研究所, 研究員
松島 良華 静岡大学, 工学部, 教授 (40022008)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | フォトクロミズム / 無機系酸化物薄膜 / 電場印加 / 光メモリ / 無機系キツ化物薄膜 / フオトクロミズム / フォトクロシズム |
研究概要 |
ITO/Cu-Zn S/SiO2/金属の4層構造素子を、マグネトロンスパッタリング装置によって作成した。金属としてAuを当初採用したが高い絶縁性の素子を作成することはできなかった。アルミニュウムを上部透明電極として使用し、フォトクロミックZn S薄膜のCu濃度を1%以下にすると、4層構造素子の漏れ電流は70Vの印加電圧(電場は10^8V/m)下でも数十ピコアンペアーと著しく低く、非常に高い絶縁性が得られた。光電流にはメモリ性が確認できたが、吸光度変化を検出することは出来なかった。この原因は絶縁性SiO2薄膜の存在により光電荷移動過程が阻害されているためと考えられる。そこで、バンドギャップの大きなAlNをホスト材料として注目し、その電場印加下でのフォトクロミズムを検討した。RFマグネトロンスパッタリング法によりAlをターゲットとしてAlN薄膜を作成した。RF出力が100W以上で透明な結晶性のよいAlN薄膜が得られた。石英基板ならびにITO薄膜上に堆積されたAlN薄膜は、基板温度300℃以上で堆積した場合にc軸が基板に対して垂直に優先配向していることがXRDから確認出来た。ITO/AlN/Alからなる3層構造素子を作製し、電流ー電圧特性を測定したところ、素子の絶縁破壊電圧はAlN薄膜の堆積温度と強い相関性を示し、AlNを700℃で作成した場合には70Vまで絶縁破壊は起こらなかった。ITO/AlN/Al3層構造素子の光電流のスペクトルは280nmにピークを持ち、印加電圧の極性には依存しなかった。この結果から280nmの光照射によって観測される光電流はAlNのバンドギャップ中に存在する欠陥準位の光励起過程によるものであると解釈された。280nmの光照射により吸光度変化が減少し、380nmの光照射で吸光度は元に戻った。この吸光度変化は電場を印加していると長時間保持されていることから、電場支援型フォトクロミズムが新しい光メモリの可能性を有していることが明らかになった。
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