研究課題/領域番号 |
09555195
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
南 努 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80081313)
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研究分担者 |
稲葉 博司 セントラル硝子(株), 硝子研究所, 所長
松田 厚範 大阪府立大学, 工学部, 助手 (70295723)
忠永 清治 大阪府立大学, 工学部, 助手 (90244657)
辰巳砂 昌弘 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50137238)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
1998年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1997年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | 超撥水表面 / 超親水表面 / ゾル-ゲル法 / 化学修飾 / オルガノアルコキシシラン / 接触角 / 表面張力 / 透明 / フルオロアルキルシラン |
研究概要 |
本研究は、ゾル-ゲル法を用いて、種々の表面エネルギーや微細組織を持つ薄膜を形成し、超撥水性、超親水性を発現させ、種々の基板にこれらの機能を付与した新しい材料を開発することを目的としている。すなわち、溶液組成や結晶化挙動を制御することによって表面状態や組織を精密に制御し、超撥水性、超親水性薄膜を得ることを目標とした。 本研究で得られた成果の概要を以下に示す。 1. アセト酢酸エチルで化学修飾されたAl(O-sec-Bu)3を出発原料として用いて作製したアモルファスのアルミナ薄膜を沸騰水中に浸漬すると、数十nmオーダーの凹凸を持つベーマイト相の表面が得られることがわかった。 2. この微細な凹凸を持つ組織を持つアルミナ薄膜に加水分解したフルオロアルキルシランをコーティングすると水に対する接触角が165゚となり、超撥水透明薄膜が得られた。 3. フルオロアルキルシランをコーティングした後の熱処理温度を変化させて、水に対する接触角を測定したところ、450℃までの熱処理では超撥水状態を示したが、500℃の熱処理によってフルオロアルキル鎖が分解し、超親水状態になることがわかった。 4. オルガノトリエトキシシランを加水分解してアルミナ花弁状組織に塗布することにより、フッ素を含まない超撥水膜を作製することができた。有機官能基の大きさと溶液濃度によって撥水性が変化することがわかった。 5. アルミナ花弁状組織を用いない超撥水性薄膜の作製を試みた。検討したオルガノアルコキシシランの中で、ジメチルジエトキシシランとフェニルトリエトキシシランを用いた場合に透明な超撥水薄膜が得られた。薄膜の表面SEM観察から、フラクタル的な微細凹凸が形成されていることを確認した。さらに600℃以上で熱処理することにより有機官能基が燃焼分解し、薄膜は超撥水性から超親水性に変化することを見い出した。
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