配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
1999年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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研究概要 |
本研究のコンセプトは、申請者がアメリカの学術雑誌(Mcromolecules)に発表した2つの基礎研究をベースとしている。 N.Inagaki,S.Tasaka,and M.Masumoto: Improved Adhesion between Kapton Film and Copper Metal by Plasma Graftpolymerization of vinylimidazole,Macromolecules,vol.29,pp.1642-1648(1996)Y.Yamada,T.Yamada,S.Tasaka,and N.Inagaki: Surface Modification of Poly(tetrafluoroethylene)by Remote Hydrogen Plasma,Macromolecules,vol.29,pp.4331-4339(1996). すなわち、ポリマー表面の金属化は、"金属と強く相互作用する部位をポリマー表面に植え込む"ことで、ポリマーと金属との密着力の増大を図ろうとするものである。このコンセプトを実現させるため、つぎの実験計画を立てた。対象とするポリマー:絶縁特性、機械的特性、熱的特性にすぐれたポリイミドとポリマーの中で誘電率が最小であり、高周波領域での絶縁材料であるフッ素ポリマーを選択した。金属(銅)と強く相互作用する部位:ポリイミドフィルムにはイミダゾール基を、フッ素ポリマーにはカルボニル基を選択した。部位をポリマー表面に埋め込む方法:ポリイミドフィルムにはシランカップリング反応を利用してイミダゾール基を埋め込む。シラン化合物として、3'(trimethoxysilyl)propoxy-2-hydroxypropyl-1,3-diazoleを選択した。 フッ素ポリマーには、リモート水素プラズマを照射し、脱フッ素化と同時に生成する炭素ラジカルを空気酸化することでカルボニル基をフッ素表面に埋め込む。 これらの手法によって改質したポリマー表面は、無電解メッキと電解メッキを併用した表面金属化が可能であり、ポリマーと金属層との密着力は良好で、実用化の可能性が高い。
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