研究課題/領域番号 |
09555206
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松本 實 東北大学, 素材工学研究所, 講師 (30006043)
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研究分担者 |
谷 順二 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30006192)
高木 敏行 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20197065)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 多機能材 / 形状記憶合金 / マルテンサイト変態 / 強磁性体 / Ni_2MnGa / 変態温度 / キューリー温度 / 放電プラズマ焼結 / 低磁場帯磁率 / キューリ-温度 |
研究概要 |
多機能材・ホイスラー型強磁性体形状記憶合金としてNi_2MnGaを取り上げ、その材料開発を行った。今年度はアーク溶解材、SPS焼結材およびスパッタ膜の作製とこれらの物性・材料特性を測定し、形状記憶効果を示す材料を開発することを最終目的とした。最終年度において目的とする材料を開発することができた。 1.アーク溶解バルク材の物性:FeまたはCo元素を添加し、その変態温度およびキューリー温度を測定した。これらの温度は添加元素により変化した。これらの現象は原子あたりの電子数で説明できた。Ni_2MnGaは強磁性の性質をもち、強磁性温度領域でマルテンサイト変態をする。この変態温度が磁場でどのように変化するかを調べた。0〜2Tの磁場まで磁場の増加とともにプレマルテンサイト変態温度は低下し、マルテンサイト変態温度は上昇した。2T以上5Tまではこれらの温度は一定値となり変わらなかった。 2.焼結法による試料作製と物性:脆性を改善するため、粉末治金の手法の1つであるプラズマ・スパーク・シンタリング(SPS)法によりアーク熔解後粉末化した試料を焼結した。結晶構造および変態温度を測定し、バルク材との類似性を確認した。この材料の機械的特性を調べるため超音波法により変態温度の前後のヤング率を測定した。このSPS材料は1%程度までの引っ張りが可能で、バルク材に比べ脆性が改善された。 3.スパッタ膜の作製と物性および形状記憶効果:高周波電磁マグネトロン・スパッタリング装置を用い、ターゲット材および高周波電力を制御することにより、ポリビニールアルコール(PVA)基板上に膜厚5μmのスパッタ膜を作製した。基盤からの剥離後、熱処理を行うことにより脆性の小さい膜を作製した。結晶構造および変態温度を測定し、バルク材との類似性を確認した。磁気特性を測定し膜特有の温度変化を測定した。この膜の平面状の形状を90°曲げた後加熱すると、再び平面状の形状に自発的に戻り一方向形状記憶効果を示す材料を開発することができた。このNi_2MnGa膜を用いると強磁性をもつ形状記憶合金としてマイクロマシーンの中心部となるマイクロアクチュエータを作製することができる。
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