配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1997年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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研究概要 |
高温高圧水中の溶存水素(dissolved hydrogen ; DH)濃度を測定できる溶存水素計測システムを開発することを目的として,イットリア安定化ジルコニア(YSZ)固体電解質と貴金属電極を用いた電気化学センサを試作し,300までの温度における動作特性を評価した。得られた主要な成果は次のようにまとめられる。 1.Ag-空気内部基準電極の特性評価:Ag-空気|YSZ|Ag-酸素電池を構成して酸素応答特性を調べた結果,粉末Ag電極とイオンビームスパッタ(IBS)蒸着したAg薄膜電極が内部基準電極として適しているとが分かった。 2.DH検出電極の開発:PtおよびPd電極をペースト塗布-焼成法とIBS蒸着法によって作製し,水素ガス応答特性および高温水中の水素電極反応特性と耐食性を調べた。その結果,水素ガスに対する応答速度はIBS蒸着金属が優れるが、応答感度と水素電極特性は作製方法に依存しないこと,耐食性と耐久性はPtが優れていることが分かった。 3.DHセンサの試作とDH応答特性の評価:一端閉管のYSZチューブにPt作用電極とAg-空気内部基準電極を形成し,PTFE水素透過膜で覆ったセンサを作製し,150〜300℃におけるDH応答特性を調べた。その結果,250℃以上の温度におけるセンサ出力電圧とDH濃度との関係は熱力学的理論式に一致することが分かった。また,溶液のpHおよび溶存酸素の影響はないことが分かった。 以上の結果に基づき,センサの出力とDH濃度の関係を表す検量線を作成し,これをデータベースとする高温高圧水用のDH計測システムを提案した。
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