配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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研究概要 |
鋳鉄系材料と鋼を複合化する方法としてブレーズ法に着目し,比較的低温で等温凝固により合金相を晶出させて接合でき,かつ高強度が得られる合金フィラの開発をめざした。銅に合金元素を添加することにより低融点化を図た数種のCu-X合金(X:MnあるいはAg)及びCu-X-Y合金フィラ(Y:Fe,Cr,Al)を作製し,先ず球状黒鉛鋳鉄と鋼の接合実験を行った。その結果,いずれのフィラを用いた場合でも等温凝固による鋳鉄側から鋼側に向かって合金相の晶出が起こったが,その中でもCu-25%Mn合金フィラを用いると,1223Kと低い温度で接合でき,純銅を用いた場合よりも約80K低い温度(約1300K)で純銅の時と同程度の接合強さ(約300MPa)が得られた。そこで,Cu-25%Mn合金フィラを他の鋳鉄系材料に適用できるか否かを調査するため,高クロム鋳鉄及びニハード鋳鉄を用いて鋼との接合実験を行った結果,高クロム鋳鉄と鋼の接合においても1223Kで接合でき,約220Mpaの接合強さが得られること,また,ニハード鋳鉄の鋼の接合でも約1300Kの接合で約300MPaの接合強さが得られることが判明した。なお,接合強さの向上を目的にCu-25%Mn合金に第3元素を添加したフィラを作製したが,第3元素添加の効果はほとんど認められなかった。 これらのことから,Cu-25%Mn合金フィラは等温凝固を利用した鋳鉄系材料と鋼の複合化のための低融点合金フィラとして極めて有望であると考えられる。
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