研究概要 |
本研究では,UV/光電子法を利用して,常圧下から減圧下に適用できる,ガス中の炭化水素系汚染ガスおよび粒子状汚染物質の新しい同時除去システムを開発することを目的とした。昨年度は,大気圧下での実験でガス状・粒子状物質の除去実験を行い,高効率で安定した処理が可能であることがわかった。本年度は,昨年度の成果を踏まえて,ストッカ,テスト粒子発生装置,光電子量測定装置,低濃度超微粒子測定装置を減圧下(20torr〜)での使用に対応できるように改良し,大気圧下と同様の実験を行った結果,以下のような知見を得た。(1).単分散のPSL粒子をストッカ内に導入して,圧力ごとに発生イオン濃度,粒子の平均帯電数,粒子除去率を調べたところ,圧力が下がるにつれてそれぞれの値は上昇し,特に粒子除去率は100torr以下で急激に効率が良くなる。(2).減圧場での粒子の荷電効率を考慮した粒子の移流拡散方程式を数値計算で解くことで,各圧力ごとの粒子除去率を推定できる。(3).減圧場でのガス状物質からの粒子生成を確認することはできなかったが,UV/O_3洗浄を施したウェハを光電子を発生させた場合と発生させない状態で,減圧ストッカー内に長時間保管してガス状物質の付着によるウェハの接触角を測定したところ,光電子を発生させた場合の方が接触角の上昇が抑えられる。(4).大気圧,減圧場において,酸化チタン光触媒を併用することでガス状物質がさらに高効率で除去できる。
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