研究課題/領域番号 |
09555265
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高木 誠 九州大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90037739)
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研究分担者 |
田崎 正人 熊本工業大学, 工学部, 助教授 (40112304)
中村 成夫 九州大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00264078)
中野 幸二 九州大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10180324)
浅野 泰一 電気化学計器(株), 開発本部, 研究員
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1997年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | 分子刷り込み / センサ / 金電極 / 分子認識 / 高分子膜 |
研究概要 |
近年、標的分子を選択的に検出するセンサの開発が精力的に行われている。我々はこれまでに「分子刷り込み法」を開発してきたが、この手法をセンサへ応用することに取り組んでいる。 センサ開発に先立って、まず分子刷り込み樹脂の表面構造に関して基礎的検討を行った。表面にカルボキシル基を有する樹脂を合成し、プロトン滴定を行った結果、仕込みの官能基量が増大するにしたがってpKaの上昇とブロード化が見られた。これは官能基どうしが強く相互作用していることを示唆する。我々の分子刷り込み樹脂は表面にカルボキシル基が2次元平面的に配置されており、物理化学的にも興味深い樹脂であることが分かった。 また電極表面修飾に関して、アルカンセレノールからの自己組織化単分子膜の形成と修飾電極の電気化学特性についても検討した。これは現象として世界で二番目の研究であり、電気化学的なキャラクタリゼーションという点では他に報告例がない。またそれらを通じ、アルカンセレノールが対応するチオールよりも強固に吸着することが分かった。これは、セレンは硫黄よりもソフトな配位子であり、金や銀などのクラスB金属との親和性が高いためと理解される。 現在のところ分子刷り込み樹脂の実用的応用法を指向した研究は、その吸着特異性を生かしたクロマトグラフ用の分離基材としての利用がほとんどである。我々は分子刷り込みを用いた膜電極型イオンセンサへの応用を考案した。膜中で組織化可能な機能性モノマーをデザイン、合成した。この機能性モノマーと無機および有機アニオンとで塩を作り、架橋剤、ラジカル開始剤、水素結合性モノマーと混合し、高分子膜にしみ込ませ重合した。この分子刷り込み膜をイオン感応膜として電極を作成し、イオン応答を調べた。このような「その場重合による膜電極」を作成した例はこれまでになく、イオンセンサの作成に新しい道を拓くものと思われる。
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