研究課題/領域番号 |
09555279
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 徳山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
大橋 正夫 徳山工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (80160597)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 層状結晶 / チタン酸塩 / 二次電池 / 正極活物質 |
研究概要 |
1. 現在、特性の良い二次電池の開発が求められており、その正極活物質の探索が非常に活発に行われている。本研究では、層状結晶Cs_xTi_<2-x/4>O_4とKxMnxTi_2-xO_4およびその誘導体を取りあげ、その合成方法と性質について調べ、新たな正極活物質の開発を行った。 2. Cs_xTi_<2-x/4>O_4は二酸化チタンと炭酸セシウムを用いて、700℃の加熱により合成した。KxMnxTi_2-xO_4は二酸化チタンと過マンガン酸カリウムを用いて、1100℃の加熱により合成した。用いた試料はCs_<0.68>Ti_<1.83>O_4およびK_<0.75>Mno_<0.75>Ti_<1.25>O_4であった。 3. 両試料を希塩酸で処理すると、層間のアルカリイオンはほぼ定量的に水素イオンとイオン交換された。また、K_<0.75>Mno_<0.75>Ti_<1.25>O_4は硫酸酸性の過マンガン酸カリウム水溶液を用いて酸化すると、試料中のMn^<3+>のうち60%がMn^<4+>に酸化された。さらに、これをLiCl水溶液で処理すると、層間のH^+はLi^+にイオン交換された。以上の試料についてリチウム電池を組み、実際に電池としての特性を調べたところ、上記の最後の操作で得られた、K_<0.08>Li_<0.02>Mn_<0.75>Ti_<1.25>O_4・1.2H_2Oの組成をもつ試料が最も優れた正極活物質であることがわかった。この試料は層間水を含むが、真空中150℃の加熱により除かれる。1.5-4.5V間で充放電の電位変化を調べたところ、約80mAh/gの充放電可能な容量を示した。また、10回程度の充放電では、約20%の容量の低下が認められた。 本研究により得られた試料は、新しいリチウム二次電池正極活物質として有用であると考えられる。
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